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13.デートと遭遇者


 今日は待ちに待ったデートである。そもそも異性とは縁遠かったので、デートは初めてでわくわくしてしまう。

 チャイはとても気合を入れて私を整えてくれた。


「クロエ様、ベルガー様が到着しました」

 迎えがきたようである。


「今行くわ」

と馬車まで行くと、ベルガーがじっとこっちをみていた。


「えっと……ちょっと、派手すぎましたかね。着替えてきましょうか」

 はりきりすぎちゃったかしら!恥ずかしい!と戻ろうとすると、腕を掴まれた。デジャブ。


 振り向くとベルガーの顔は真っ赤だった。


 ……?どういう反応?


「あ、いや、すまない。陽の元で会うのは初めてだったから、こんなに可憐なんだと驚いたんだ。いつも可愛いと思ってはいたんだが、こんなに眩しく見えるなんて……今にも見えなくなってしまいそうで眺めてしまった。気を悪くしたらすまない」


 か!可愛い!ベルガーが照れてるのめちゃくちゃ可愛い!しかもすごく褒めてくれてる!嬉しくてにやけちゃいそう。いっか、思いっきり笑っちゃお。


「ベルガーったら!口上手なんだから!」

 ふふふと笑ったら、ベルガーが更に顔を赤くした。


「あの、お二人さん。ずっとイチャイチャしてると街に着きませんよ」


 は!今日は外でデートなのよ!街に行ってからが楽しみじゃない!


 ベルガーのエスコートで馬車に乗り、2人で街に向かうのだった。



「街へ行ったらまず何がしたいんだ?」


「あのですね、ベルガーに服を選んで欲しくて……」


 好きな人に選んでもらった服を着るのって憧れるもの!

 このくらい甘えてもいいわよね……?


「あと、書店に寄って、ベルガーの好きなジャンルのものを教えてもらえたらなーって。それから、ランチ、とこんな感じかしらね」


「俺の好きなジャンルって……本だと冒険ものだぞ?それか参考書。まあ参考書は知識増やすためのものだし……」

「それでいいの。ベルガーが何を見て何を知ってるか知りたいだけだから」

「じゃあ、クロエの好きなのも教えてくれな。交換こしよう」


 ふはっと笑ったベルガーにときめきが止まらない。なんでいつもよりもかっこよく見えるの!ドキドキを抑えるために他のことを考えることにした。


 私の好きなものも知ってもらえるんだ。何勧めようかしら。思いっきり恋愛ものにしよっと。どんな顔で読むのかしらね。ふふふ。


 そうこうしているうちに最初の目的地に到着した。


「ファッションとかわからないんだけど、本当に俺が選んでいいのか?」

「ええ、それが1番嬉しいんです」


と笑うと、ベルガーは店員さんと相談してくる、と場を離れた。


「赤と白のストライプはキャンディみたいで可愛いし、シックな紺も迷うわね」


 私はお店に並んだドレスを眺めながらのんびりしていた。


「クロエ、ちょっといいか」

「はい」


 ベルガーの元に行くと、後は頼んだ、と店員さんにお願いしていた。どうやらフルオーダーするらしい。


「お嬢様の体型が素敵なので、それが映える形で、尚且つ色はこれ、とおっしゃられたんですよ〜」


と店員さんが教えてくれた。色は届いてからの秘密と言われてしまった。


 採寸を終えるとベルガーも服を頼んだようで、ちょうど良かったと言ってくれた。


 さて、次は書店である!馬車で向かっても良かったが、せっかくなら歩きたいと私がいい、ベルガーも承諾してくれた。

 服も街を歩いてても違和感のないものを着ているので、私たちが貴族であることはパッと見わからないだろう。

 わー!デートしてるなって感じがする!


 書店では、一度解散して、互いに好きな本を選び相手の家に送ることにした。重いのは嫌だし、家に帰ってからもわくわくできるから!と伝えると、そうだな、と言って頭を撫でてくれた。

 今日すごい甘やかしてもらってる!最高に楽しい!


 そしてランチである。

 私もお店はリサーチ済みで、お肉からスイーツまでなんでもござれなところを選んだ。

 サンドウィッチとかパンケーキとか軽食な店だとベルガーが物足りないかな、と思ったことと、私もお肉食べたい!と思ったからだ。


「ここですよ〜」

と到着したところ


「あれ?ベルじゃないっすか〜!」


と誰かに呼びかけられた。

 振り向くと、やほ!とダズとリサが立っていた。




こういう世界の人って、魚よりお肉食べるイメージ強いんですよね。お肉食べたい。

読んでくださりありがとうございます!


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