介護士は意気投合する
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「やはり君もそう思うかね?」
突然エルフが話しかけてきた。
人間よりはるかに長寿だから外見から年齢は読み取れないが、口調からすると、それなりの年齢らしい。
「私も封建制を廃止して中央集権にするべきだと思うんだよ。」
「やり過ぎなければ賛成ですね。」
前世――地球の歴史は、中央集権と地方分権の繰り返しだ。
小規模な集団が乱立して地方分権が始まる。その中から強力な集団が他の集団を支配していって中央集権になる。配下の組織から力を付けるやつが現れて、中央の権力が弱まり、再び地方分権に。
政治だけでなく、経済――会社組織でも同じことが起きている。乱立、吸収合併、分裂……その繰り返しだ。
そして現代の地球――いわゆる先進国では、中央集権と地方分権の折衷型に落ち着きつつある。アメリカやドイツなどは統一国家だが連邦制であり、分権的だ。日本は中央集権的だが、地方自治体が存在していて、個別にローカルルールを設定できる裁量権があるから、そのあたりは分権的な部分もある。
やり過ぎた中央集権というのは、たとえば第二次大戦下の日本だ。誰も中央政府の暴走を止められない。下部組織に力がなさ過ぎるからだ。上位組織(中央政府)が正常に、健全に機能していることが、中央集権国家にとって大前提になる。
と、まあ、具体的な名前を出しても地球の国名や歴史を知らないエルフには通じないが、概要だけ説明してみたら意外と通じた。
そういえば中央集権国家の古いものでは、古墳時代もそうだった。大和王権が拡大して周辺地域を支配していった。中央集権の始まりの時期といっていい。日本という国名が始まったのも、この時期だ。その前は「倭国」だった。
……日本史の授業を懐かしむ時が来ようとは……。妙な感慨があるな。
ともかく、地球でもそうだったのだから、この世界でも――特に長寿のエルフなら、他の種族がそういうのを繰り返してきたのを見てきたのかもしれない。
「なるほど……確かにそのような懸念はあるわけだな。」
エルフはやたら感心して俺の話を聞いた。
「そうすると、やはり領主たちのもとに司法代行官や立法代行官を派遣するべきか。」
「代行官という名称が適切かどうかはともかく、担当者は派遣するべきでしょうね。」
「いずれにせよ、今よりは中央集権化するべきだ。」
「その通り。」
俺たちはがっちりと手を握り合った。
どうやら俺たちは、かなり本気で「これではダメだ」と思っている。俺はあのいがみ合う軍団2つを見てしまったからだが、このエルフはどうだろうか?
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