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介護士はニンジンの威力を知る

読んでくれてありがとうございます。

楽しんでくれると嬉しいです。

「さっそく他の獣人にも話をしてみよう。」


 馬獣人の一言で、アーネスの「女限定部隊を作る」という計画は急激に前進する事になった。

 まずは兎獣人に話を通す。兎獣人は聴覚とジャンプ力に優れる。索敵に向いている他、少々の障害物なら飛び越える脚力がある。


「人を出すのはちょっと難しいぴょん。

 でも、馬獣人ならこのニンジンの価値が分かるはずぴょん。」


 パメラは胸の谷間からニンジンを取り出した。

 とたんに馬獣人の顔が引きつる。


「こ……これは……!

 なんという輝き! これはまさか、伝説の……!?」

「ヤシニンジンぴょん!」

「ヤシニンジン?」

「ヤシの木みたいに大きくなるニンジンぴょん。

 それを、大きくなる前の柔らかいうちに収穫すると、すこぶる美味しいぴょん。」


 なるほど、分からん。

 だが馬獣人は生唾を呑み込んで視線が釘付けになっている。


「これを提供して頂けるか!?」

「構わないぴょん。

 うちもジャイロには世話になったぴょん。その婚約者が頑張るなら、応援するぴょん。」

「そんなに凄いニンジンなのか?」


 興味が湧いて尋ねてみた。


「人間には単に美味しいだけだろうな。

 だが、我ら馬獣人がこれを食べれば、心身を強壮にする妙薬となる。骨格強度や筋肉密度がまるで違ってくるだろう。戦力で言えば、2倍から3倍になるはずだ。」

「そんなにか。」

「そんなにだ。」


 馬獣人は興奮気味に答える。

 個体戦力が2倍3倍になるのなら、それが少々盛った話だとしても、ずいぶんな効果だろう。


「馬獣人だけじゃなく、馬に食べさせても同じような効果があるぴょん。

 軍馬が強くなったとか、競走馬が速くなったとかの報告を聞いた事があるぴょん。

 ただ、2倍3倍はさすがにないぴょん。せいぜい3割増しぴょん。」

「馬なら、そうだろう。

 だが我ら馬獣人なら、本当に2倍3倍になるのだ。」


 そうまで力説されると、試してみたくなる。

 3倍の真実が3割増しでも儲けものだ。


「試してみる、というわけには?」

「構わないぴょん。

 試供品として100本あげるぴょん。」

「そんなにか!?」


 馬獣人はもはやヨダレが止まらない。

 どうもドワーフに酒、猫獣人にマタタビぐらいの効果で、馬獣人にヤシニンジンらしい。

 あとは、2倍3倍なんて効果が本当にあるのか、見てみるだけだ。


「1本食べてみせようか?」


 馬獣人がニヤリと笑う。

 なぜそこで不敵な笑みを?

 まあ、いいか。食べて貰おう。






「うおおおおおおおおお!?」


 背中に乗せて貰った俺、絶叫中。

 馬獣人の走る速さが、明らかに2倍3倍になった。

 60km/hぐらいで走っていた馬獣人が、今や100km/hを軽く超えている。流れていく風景が、まるで高速道路だ。

 これは凄い。なんというファンタジーニンジン。兎獣人には、人員を出して貰うよりもニンジンを出して貰う方が正解かも知れない。

読者様は読んで下さるだけで素晴らしい。

ブクマとか評価とかして下さった読者様、ありがとうございます。

作者は小躍りして喜んでおります。


誤字修正

×兎十字

○兎獣人

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