介護士は提案する
読んでくれてありがとうございます。
楽しんでくれると嬉しいです。
熱が出てしまいましたので、本日の投稿あと2本、できるかどうか。
どうかご容赦下さい。
インフルじゃないといいなぁ。
セシールがゴーレムで作ったパワーアシストスーツ(戦闘用)を試してみたが、アシストされすぎてまともに動けない代物だった。アーネスたち警備隊の面々もすでにテストしたようだが、こういうタイプの装備品は初めての経験で、ろくに改善案を出せなかっただろう。
だが俺の場合は――
「つまり、パワーを強くするなら、それに応じて重装備にするべきだ。
ゴーレムが提供するパワーがちょうど完全に使い果たされるように、荷重に応じて出力を自動調整するようにして、『装備や荷物の重さを感じさせないパワードスーツ』にしてくれれば使いやすいと思う。」
そうすれば普段通りの体の動きで、装備や荷物の重さだけを無視して動ける。
武装を強化するほど重量は増えるのが一般的で、だからこそ重量に負けずに動けるように体を鍛える必要がある。あるいは「実力に応じた装備」というのも、1つはそういう制限によるものだ。
「手が届きやすい場所に、武器や道具を把持しておくための部分があってもいい。腰とか肩とかに。
あるいは自由に造形できるゴーレムの特性を生かして、背中に腕を追加してみるのもいいだろう。背負うような大きな荷物を把持して、必要なときに手が届く場所へ差し出してくれるような腕だ。
それから、足にも『傾斜などで滑らないためのスパイク』とか『平地で高速移動できるローラー』とかを加えたら面白いかもしれない。」
前世で見た、ロボットやサイボーグが出てくるゲームやアニメを思い出しながら、改良点を伝えていく。
予算を度外視すれば、部品に魔道具を使うのも面白いだろう。暗視機能付きのゴーグルとか、探知魔法つきのヘルメットとか、火を噴く手袋とか、空飛ぶ靴とか。冒険者としては、一番欲しいのは「浮いてくれる荷台」だ。引っ張って移動するとき、引きずるのと違って、浮けば簡単に動かせる。
「なるほど、なるほど! 他には? 何かありますか?」
セシールが目をキラキラさせながら食いついてくる。
こいつは……なるほど。彼女はそっち側なのか。
「操縦者の動きをそのまま再現する巨大ゴーレムなんかも面白いかもな。」
「ふぉおおおおおお! 夢がありますうううっ!」
ついに壊れたか。
常識人として振る舞おうとする我慢機能が壊れたようだ。
しかし、ちょっと意外だ。こういうのはドワーフのほうが好きそうなイメージがある。ロボット系エルフとか……ああ、でもドワーフは鍛冶が得意だから、ゴーレムは使わないか。ドワーフが作るならガチのロボットになりそうだ。ゴーレムではなく。しかしモーターやバッテリーがないから、だいぶ苦労するだろう。そういう意味で、エルフのほうが適しているわけか。
……もしかしてエルフの国って、魔法王国的な感じだろうか?
読者様は読んで下さるだけで素晴らしい。
ブクマとか評価とかして下さった読者様、ありがとうございます。
作者は小躍りして喜んでおります。