介護士はエルフに再会する
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「セシールが呼んでいる。」
アーネスが知らせてきた。
セシールというと、「蛇」に制圧された村を解放して助けたエルフだ。開拓村に移って、砕石舗装で道路を作ってくれていた。ロードローラーの姿をしたゴーレムでやるから高効率だ。
聞けば、今も開拓村にいて、道路工事はもう終わったという。今は別の実験をしていて、その実験台を求めているため、警備隊を通してアーネスに話が流れ、そこから俺へ、という流れらしい。
「しかし、俺なんかが何の実験台に?」
「それは行けば分かる。」
なぜかアーネスは疲れた顔をしていた。
「というわけで、来てみたのだが?」
「ありがとうございます。
早速実験しましょう!」
「いやいや、その前に説明を……だいたい、なんだ、その格好?」
セシールは、手足の側面に奇妙な棒を取り付けていた。防具にしては小さすぎて意味がない。
「よくぞ聞いてくれました!
これはですね、体の動きに合わせて動いてくれるゴーレムなんです。」
「え? まさか……パワーアシストスーツ?」
前世では新聞でちらっと見た事がある。どこかの企業が開発中で、運送業や工事などの重量物を持ち上げるような仕事に役立てるべく、実用化を目指しているという。
空気圧で関節の動きを補強するものが大学の実験室かなにかで開発中というニュースを見たあと、しばらくして、もっとスマートな形になった電動式のものをどこかの企業が開発中というニュースを見たように記憶している。
パワーアシストの機能自体ははもう完成しているといっていいレベルのようだが、医療や介護の分野で使うには患者を傷つけないようにデザインを工夫したり小型化したりする必要があり、運送や工事でも荷物を傷つけないように同様の配慮が必要になるらしい。
「そうですね。そういう事です。
ジャイロさんは、すでにその着想を持っていましたか? そんなにすんなり名前が出てくるなんて。」
「ああ……まあ、その……あればいいな、ぐらいには。」
想定している販売価格が高すぎて、会社は導入してくれないだろうなと思っていた。
結局、導入どころか発売される前に死んでしまったわけだが。
「では、何をテストしたいのか分かりますね?」
「いや、分からない。
パワーか? 耐久性か? 動作の精密性か? 防水性か? 考えるべきことは多い。
見ただけで、それのどこに問題があるのかまでは分からない。」
「そうですか……。」
るんるん顔で迫ってきたセシールが、しょんぼりして離れた。
「私が装着しているこれは、日常生活で特に問題がないように調整したものです。
こうして私自身が装着してテストしていますが、日常のあらゆる動きが、より低負荷で実行できるようになるばかりか、より速く走ったり、より重たい物を持ち上げたりもできるようになります。
そこで思ったのですが、これを高出力化したら、戦闘用に使えるのではないかと思うんです。」
「なるほど。」
「思ったら作りますよね? 作ったら試しますよね? そういうわけで警備隊の皆さんに協力してもらったのですが、高出力化すると色々と問題が出てしまって、使いこなせない人が続出してしまったのです。
なので、調整を繰り返していまして、今なんとかアーネスさんなら使える程度になっています。それをさらに調整してみましたが、アーネスさんはそろそろ仕事に戻らないといけないとの事で、こうして代わりにジャイロさんにお願いしようかと。」
「なるほど。」
アーネスが疲れた顔をしていたのは、そういう事か。
実用化できれば有益だ。警備隊としては協力したいのだろう。
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