介護士は指名依頼を受ける
読んでくれてありがとうございます。
楽しんでくれると嬉しいです。
遅くなりました。m(_ _)m
第2章…あ、前世編から数えて3章?の開始です。
猫獣人にさらわれて、それを助けたらニンジンをくれた兎獣人。
名前はパメラ。
その日、冒険者ギルドに顔を出すと、彼女が待ち構えていた。
「見つけたぴょん! 指名依頼を出したぴょん! すぐ来て欲しいぴょん!」
何やら慌てた様子だ。
ギルドの受付嬢が、依頼書を見せてくれる。
指名依頼
対象者:ジャイロ
内容:人員救助 詳細は依頼主から説明
依頼主:パメラ
「ふむ……? で?」
「猫獣人がさらわれたぴょん!」
「毛生え薬はまだなのか?」
「ニャ? それならもう作ってないニャ。」
「どういうことだ?」
「マタタビが欲しくて作ってたニャ。
でもマタタビはもう自分たちで作れるようになったから、毛生え薬は作らなくて良くなったニャ。」
「そうか。だが契約は遂行されなくてはならない。」
「お断りニャ。最近、兎獣人とは仲がいいニャ。ニンジンくれるニャ。」
「契約を違える気か。ならば体で払って貰う。」
「……という事ぴょん。」
「つまり客にさらわれたと……?
……その相手の居場所は?」
とりあえず必要な事から聞いていく。だが、気になる事はもう1つある。
この手の無茶な要求をしてくる相手というのは、無茶を通すために恐怖心を煽ってくるものだ。架空請求詐欺とかもそうだが、怒鳴って怖がらせるというのが、よく使われる手法である。
にも関わらず、この客は怒鳴らなかったようだ。チンピラも上位のチンピラになってくると、怒鳴らなくても威圧感を出すようになる。そういう手合いだったのだろうか? 猫獣人はあんな感じだから、静かな威圧感よりも怒鳴って萎縮させるほうが効果的であるはずだ。
どうもこの客は不可解だ。
「分かってるぴょん! 急がないと猫獣人がひどい目に遭わされるぴょん!」
「そうか。まあ、とにかく急ごう。」
毛生え薬の代わりに、という事であれば、どういう事をさせるのだろう? ヘッドスパでもやらせるのか? いやいや、そんなバカな。……でも洗脳するテロ集団とか見ちゃったしなぁ。洗脳してヘッドスパやらせるとか、あるかも……。ああ、それか時代劇の悪代官みたいな女好きとか? 毛生え薬を求めている理由はそれか? そうでなければハゲを隠すぐらい、帽子をかぶるとかの方法もあるわけだし。
「王都の貴族街へ行くぴょん。
バブミビッチ・ロリスキーって奴ぴょん。知ってるぴょん?」
「いや、知らんが……どんな名前だよ……。」
ひどい名前だ。作者のセンスを疑うぞ……。いや、むしろ、いつもはランダムに名前つけてるのに、今回はきちんと考えたほうか……。
とにかく、作戦地域が王都、それも貴族街というのがヤバい。基本的に貴族は特権階級。そしてゴーファ公爵みたいな人権主義者は少数派だ。そんな連中に巣窟たる貴族街に立ち入り、貴族の屋敷から獣人を奪ってくる。ヤバい。ヤバすぎる。冒険者ギルドじゃなくて盗賊ギルドに頼んだ方がいいんじゃないかと思えてくる案件だ。
「何とかなるんじゃない?」
と珍しくアルテナが気楽に言う。
「私も隠蔽魔法けっこう覚えたし。」
そうなのだ。アルテナの村を「蛇」から解放したときに使った隠蔽魔法を、本人希望でアルテナに教えてきたのだ。本人のやる気もあって、こつこつ練習しているおかげで、けっこう上達している。
貴族の屋敷は警戒も厳重だろうから、「蛇」に制圧された村よりも見つかるリスクが高いかもしれないが……その場合に備えて覆面ぐらい用意しておくか。
読者様は読んで下さるだけで素晴らしい。
ブクマとか評価とかして下さった読者様、ありがとうございます。
作者は小躍りして喜んでおります。
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