介護士は相手の言い分を聞く
読んでくれてありがとうございます.+:。 ヾ(◎´∀`◎)ノ 。:+.
楽しんでくれると嬉しいです。
「俺たちは捨てられたんだ! 裏切られたんだ!」
テロ集団「蛇」の中でも洗脳されていない元祖のメンバー。
彼の主張は、次のようなものだった。
元々彼らはゴーファ公爵の兵士だった。特に経験と訓練を積んだエリート兵士で、指揮官として部下を指揮する能力は低いが、個体戦力には優れている。ゴーファ公爵は、彼らを集めて部隊を作り、敵地に潜入して諜報活動をしたり、破壊工作をしたり、そういう危険な任務を与えた。
彼らは見事に役割を果たし、ゴーファ公爵の軍がそのおかげで勝てた事も少なくないという。ゴーファ公爵はいつも彼らにねぎらいと感謝の言葉をかけていた。だから次に危険な任務を命じられたときも、ゴーファ公爵のためなら死んでも構わないという心構えで臨んだ。
そうして、ある日、最後の任務が命じられた。彼らは隣国との競合地帯――お互いに領有権を主張している地域――で、既成事実を作るために、民間人の移住計画をおこなう準備段階として送り込まれた。つまり、先に現地入りして、魔物や地形などを調査・整備して、民間人が住めるように準備するのが、彼らの役割だったのだ。
ところが、この計画は実行には移されなかった。隣国が彼らを発見して、軍による実効支配、すなわち侵略が始まっていると主張した。そして「そっちがその気なら」と戦争になりかけたのだ。
大規模な全面衝突は、国力を大きく低下させる。わずかな競合地帯を手に入れるために国家全体が弱体化するのでは割に合わない。そこで国は、彼らを「こちらの軍隊ではない」「派遣していない」と主張した。つまり、彼らは「武装した無法者の集団」という扱いを受けたのだ。
「ならば遠慮する必要はない。我が国の領土の治安を守るのだ。」
と、隣国は討伐隊を差し向けた。
こうなると、自国がやろうとした事を相手国にやられてしまう格好になる。
黙っていられないので、こう切り返した。
「いやいや、我が国の領土だ。我が国が治安を守る。」
かくして彼らは、両国から討伐対象にされてしまった。
「死んでも構わない覚悟はあったが、それは敵と戦って死ぬなら構わないという事だ!
なんで味方に攻撃されなきゃならない!?」
悲鳴のような声で「蛇」は死んでいった仲間たちの名前を呼び始めた。
あいつも、こいつも、そいつも、死ぬ必要はなかった。なのに、なぜ。なぜ。なぜ。
命からがら逃げ延びた彼らは、その後でようやく状況を知った。
「なるほど。
それで、裏切られて捨てられた腹いせに、報復してやろうというわけか。」
「そう処理したのは公爵だ! だから俺たちはその望み通りになってやっただけだ!」
「なるほど。そうか。
……素晴らしい! 君たちは、本当に忠義者だ。」
読者様は読んで下さるだけで素晴らしい!(*≧∀≦*)b
評価とかブクマとかして下さった読者様、ありがとうございます。
作者は感謝感激しつつ、小躍りして喜んでおります。(o´∀`o)キャッキャッ♪