介護士は道路工事を考える
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第1章完結まで書き上がりました。順次投稿していきます。
開拓村を拡張するには、魔物対策が必要だ。だが防壁を作るには問題が2つある。
第1に、村人が難色を示すだろうという事だ。今すでに開拓村にいる人たちは、もう普通に安全に暮らせている。今後新たに来る人のために大工事に精を出そうというのは、さすがに面倒くさいだろう。村を拡張するより、よそに新たに開拓村を作るほうがいいのでは、と考える人も出るはずだ。
第2に、村の拡張性に限界があることだ。防壁を作ると、それ以上の拡張はしないという意味にもなる。防壁を作り直すのは面倒だし、年輪みたいに外へ外へ追加の防壁を作るのも大変だ。
そう考えると、防壁を作るよりも道路を作った方がいいだろう。幸いこのあたりの魔物は弱いし、数も少ない。駆け出しの冒険者に、三食宿付きで「村の護衛」を依頼すれば、引き受けてくれる人がいるだろう。この村は食糧には困らない。駆け出し冒険者は食糧や宿に困る。この需要と供給がマッチする限り、現金での報酬が少なくても、引き受ける冒険者は居るはずだ。
「では、道路を作ればいいのですね。」
セシールが「水を汲んでくればいいのね」ぐらいのノリで言う。
そんな簡単な事か?
簡単な事でした。
石臼を挽くような、ゴリゴリという音を立てて、巨大ゴーレムが地面を踏み固める。
その姿は、ロードローラーそのものだ。1つ違うのは、移動しながら地中の岩石を吸い出して粉砕し、ローラーの前に撒き散らしていることだ。アスファルトではなく小石を撒いて踏み固めている。砕石舗装とかマカダム舗装とか呼ばれる方式だ。だいぶ大雑把なやり方だが。
砕石舗装は、道路としての耐久性に問題はなく、馬の足がかりもいいので、自動車が普及していなかった戦前・戦中まで普及していた。だが自動車が普及すると塵埃の発生が問題になって使われなくなっていったという歴史がある。
この世界では、移動手段の大半が徒歩であり、たまに馬車や人力荷車が使われる程度なので、砕石舗装でも何の問題もないだろう。
「セシールさんが、この方法を考案したのですか?」
「ええ、まあ……。
開墾の途中で出る石をどうするか考えた結果、畦の補強に使おうと思い立ちまして。
今回それで道を作っているわけです。」
「砕石舗装もそうですが、このゴーレムの独特な形も素晴らしい。
移動と形成を同時にこなせる効率的な形状です。」
「分かりますか。」
「もちろん。
ただ、惜しむらくは、完全に平坦で、振動していない事ですね。」
「……というと?」
「わずかに中央を盛り上げたほうが、水はけがいいのですよ。
それに、砕石舗装はローラーを振動させたほうが強く固まります。」
日本の道路工事を見ていたら分かることだ。
興味深く見ていなければ、気づかないかもしれないが。
「なるほど! そんな方法が!」
セシールは、早速ゴーレムの改造を始めた。道路工事は一時中断だ。
まあ、彼女ならすぐに何とかするだろう。
俺はその間に村人たちと相談して、冒険者を雇う計画を立てた。
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