介護士は公爵に呼ばれる
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「ジャイロ殿。よかった、まだここに居たか。」
酒を買ってきて工房でウォーロックの仕事ぶりを見学しながら、ドワーフについて聞いていると、父親に荷物を持っていったはずのアーネスが急いだ様子で戻ってきた。
「一緒に来てくれないか。父上がジャイロ殿を客としてもてなすと。」
「え……突然どういうわけで?」
「分からん。だが、村人を任せたら予想以上に素晴らしい開拓村を作ってくれたからじゃないかと思う。」
「そうですか。分かりました。」
直接会わないと用件すら分からないというのは、使者としてナンセンスだと思うが、この世界ではこれが普通だ。使者がちゃんと用件を伝えるなんてのは、国同士や貴族同士でしかやらない。平民を呼び出すときには「とにかく来い」だけだ。
もっとも、平民がこんなことで反乱を起こすような事はないので、このあたりは人道派のゴーファ公爵といえども思い至らない事かもしれない。まあ、介護士は勤務中にナースコールがあったら応じるしかないのだから、それと同じだと思っておこう。
「よく来てくれた。
私が領主ネアソン・ゴーファだ。」
茶髪で細身の、40代前半と思われる男だった。
「お招き頂き、光栄の至りであります。
冒険者のジャイロと申します。」
ゴーファ公爵は優しい笑みを浮かべて、楽にしてくれと言いながらソファに座るように促してきた。
上等なソファだった。こっちの世界にも、こんな上等な生地があるんだなと感心した。
「早速だが、君は転移者か転生者だろう?」
いきなりの事で、ちょっと驚いた。
まあ隠しているわけではないし、知られたからといって、どうという事はないのだが。
だが、あるいは俺が思っているのとは違う意味の言葉かもしれない。
「その、転移者とか転生者とかいうのは……?」
「別の世界から来た者、別の世界で前世を過ごした記憶がある者、という意味だ。
非常に希だが、過去にもそれらしい人物は存在した。たとえば、このゴーファ公爵家の祖先とかな。
我が一族の祖先は、過去に英雄的な活躍をして、王女を降嫁され、公爵に取り立てられた。このご先祖様について『地球という世界の、日本という国から来た』という記録が残っているのだよ。
調べてみると、人間の領域を超えたような英雄的活躍をした人物の記録は、他にも存在する。私は、これらの英雄はすべて転移者または転生者ではないかと思っている。」
「なるほど。」
ありがたい情報だ。
つまり、俺以外の転移者・転生者は、俺が生きている間には現れないだろうという予想ができる。
アーネスがこの世界の人間としてどのぐらい強いのか、強さの偏差値が分からない。だが、決して弱くないことは分かる。かなり上位に位置するだろう。
それを手加減してあしらえる俺にとって、脅威になるのはドラゴンとかの「そもそも強い種族」を除けば、他にも居るかも知れない転移者や転生者だ。それが居ないと考えられる。この情報は、だいぶ安心できる材料だ。
「ご先祖様が愛用された武器が、この国には他に見当たらない武器でね。
ご先祖様に敬意を込めて、その作り方は今の時代にも伝わっているのだよ。
今その製法を継承しているのは、ウォーラックという鍛冶師だ。」
「彼が……。
……ひょっとして、アーネスさんが受け取っていた荷物というのが……?」
「そうだ。
これなのだがね。」
ゴーファ公爵は、細長い棒状の物体を差し出した。
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