介護士は開拓を完了する
読んでくれてありがとうございます:*(〃∇〃人)*:
楽しんでくれると嬉しいです。
読者様には申し訳ない事ですが、不定期更新になる予定です。
実力者だとは思っていたが、敗北するとは思わなかった。
「……はぁ……。」
アーネスは落ち込んだ。
「負けたか。」
「父上……。」
「いい経験になっただろう?」
「自分は強いと慢心していました。」
「そうか。
彼はどうだった?」
「どうもこうも……パワーもスピードも私に合わせて手加減していました。
それでいて技術で勝ってしまうのですから、私はいったい何から鍛え直せばいいのかと……。」
「そう思ったか。
で、彼はどうだった?」
「え?」
「彼はどういった様子だったのだ? 退屈そうだったのか?」
「あ、いえ……笑っていました。楽しそうだった、ように思います。」
ゴーファ公爵は、にっこり笑ってうなずき、何も言わずに立ち去った。
意味が分からず、アーネスはしばし考えた。
「……はっ!? そうか……!」
退屈されていたら「お前とはもう戦わない」と言われるだろう。得るものがなくて面倒くさいだけだから、と。しかし楽しんでいたなら、次もまた戦ってくれる。
鍛冶師もやってきて、商人も来るようになった。
村はもう新しい開拓をせずに、普通に暮らしていけるレベルになっている。
そろそろ俺の役割も終わりでいいのでは? 世界を見て回るという本来の目的に戻るべき頃合いだろう。
「……と思うのだが……。」
「ジャイロ殿! 今日も一手ご指南たまわりたい!」
アーネスが毎日のように押しかけてくる。
最初は1回対戦したら満足して帰っていたが、しばらくすると「もう1度」と言い始め、最近は何時間も対戦を繰り返している。
ちなみにラッキースケベとか、おっぱい大震動とかはない。鎧でバッチリ固められている。
「今日もありがとうございました。
アーネスさんとの訓練は楽しいし、日に日に上達するのを見ているのも面白い。
ただ、村はもう大丈夫そうだし、そろそろ俺も冒険者稼業に戻りたいのですが。」
「そうか。
では、エルフとドワーフと獣人に引き合わせるという約束を果たさねばなるまいな。」
アーネスは少し残念そうに言った。
領地の問題が1つ片付いて喜ばしい事であるはずなのに。
「お願いします。」
「また訓練に付き合ってくれるだろうか?」
「はい。手が空いていれば、いつでも。」
「そうか。」
アーネスは嬉しそうに言った。
最近のアーネスは、こういう反応だ。俺との時間を楽しんでいる。
公爵の娘が、平民の俺と仲良く? アーネスはいったい俺の何が気に入ったのか? と、マクセンたちは不思議そうに見ている。
だが、相手がどんな肩書きを持っていても、所詮はただの人間だ。老人ホームに入ってくる老人たちの中には、社長だった人も何人もいた。ずっと百姓をやってきたという老人と比べて、特に変わった事なんて何もない。
良好な人間関係を作る方法なんて、相手が何者だろうと変わらないのだ。否定しない。ただそれだけでいい。認めたり励ましたり褒めたりすれば、さらに良好な関係になりやすい。敬語とか礼儀作法とかは大した問題ではないのだ。
読者様は読んでくださるだけで素晴らしい!( ´∀` )b
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