テロリスト編①
地獄の1日の幕開けです。
学園の外はガーゴイルの軍勢と1人の召喚獣
優理は察したこれは完全に分が悪いと。
気がつくとネルの手を引いて走り出していた。
しかしネルはその手は振り払った
「なぜ逃げるのじゃ!あんな者わらわの力を使えば一網打尽に」
「バカ野郎!あんな軍勢と訳の分からん強さの召喚獣に真っ向から戦って勝てるはずないだろ!今は逃げるぞ!」
「何を言っておる!わらわは最強じゃ!負けるはずがなかろう!」
「お前に死んで欲しくないんだよ!召喚獣は死んでも蘇生できるとしてもそれがネルお前に適用されるかは、分からないんだぞ!絶対にお前だけは死なせない。だから逃げるぞ」
ネルは目をそらし顔をあかくしながら告げた
「そ、そこまで言うならよいぞ...い、一緒に逃げてやろうではないか。」
優理はネルの手を掴み教室から走り出した。
その頃学園内は混乱が起きていた。
学園の結界は破壊され千を越えるガーゴイルの軍勢が今にも襲撃しようとしている状況である。
教師達は生徒達をコロッセオに避難させた。
「コロッセオに避難が完了したら強力な結界を展開する!騒がず落ち着いてくれ!」
「学園長、1年の神原優理がまだ避難完了しておりません。」
「何じゃと!私は彼を探しに行く。皆は結界を張り敵対戦闘の準備を。」
学園長は険しい顔でその場を飛び出していった。
(待っておれよ。今助けに行くぞ。)
優理とネルは教室を抜け、宛もなく廊下を駆け抜けていた。
パリン!
1枚の窓ガラスの割れる音が聞こえた。
その途端一斉に窓ガラスが割れガーゴイル達が校舎に侵入してきた。
「グオォォ!!!」
ガーゴイルが雄叫びを上げ優理とネルの四方を囲んだ。
(戦うしかないのか)
「優理、ここはわらわが道を開く。奴に見つかる前にここを抜けるぞ。」
ネルは剣を作り出し、一体ずつ切り伏せ、道を作っていく。
道が開き優理とネルは、そこを走り抜けるしかしすぐにまた囲まれた。
「これじゃキリがないぞ!」
ネルが険しい表情で剣を振りながら言う。
優理は考えた。
ここでやるべき最善策とネルの能力について。
(ネルは、魔法が使えない。範囲攻撃は、正直難しい。でも想像した武器を作り出し、武器の力を引き出すことが出来る。待てよ、という事は!)
ネルがガーゴイルの数に押され優理の元へ戻ってきた。
「ネル!俺と波長を合わせろ!絶対一緒にここを抜け出してやる!」
「うむ!」
優理とネルの波長と気持ちが交わった瞬間、2人の思考が交わった。
「「シンクロ!」」
「ネル!今から俺の考えをお前に見せるからその通りに武器を作ってくれ!」
「ふむふむ、これは面白い。やってやろうではないか!」
優理の考えた武器を、ネルが脳内でインプットし、手元に武器を作り出した。
「マジックウェポン・双銃ネルネガ」
ネルは作り出した二丁拳銃、双銃ネルネガをガーゴイルに向ける。すると魔法陣が展開され魔法陣越しにターゲットマーカーが現れ、複数のガーゴイルをロックオンする。
「ターゲティング・サンダーランス!」
引き金を引くと雷属性魔法サンダーランスがロックオンしたガーゴイル達を撃ち抜いた。
「おお!!!優理よ!わらわ魔法が使えたのだ!ついにわらわにも魔法が!」
飛び跳ねて喜んでいる。
「喜ぶのは後だ。今の一撃で道が開いた!早く逃げるぞ!」
ネルの手を引いて走り出した。
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ネルネガのおかげで優理とネルはガーゴイルの包囲網を突破しコロッセオまであと一歩の所までたどり着いていた。
「あともう少しだ!もう少しでみんなと合流出来るぞ!」
「お主ら無事だったか!」
優理達の前に学園長が現れた。
「無茶をしおって!死んだらどうするつもりじゃ!」
「すみませんでした。」
「説教はあとじゃ。早くコロッセオへ避難するぞ!」
しかし
「ふふふっ」
不敵な声が聞こえた。
その瞬間
シュッ
「リフレクトウォール!」
何が起こったか分からない
ただわかっているのは突然学園長が防御魔法を発動させ、その魔法がいとも簡単に破壊された事だけだった。
「何者じゃ!」
「あらやだ、軽く挨拶しただけなのに怒鳴らなくてもいいじゃない。」
突然現れたその女はネルが跳ね返した魔法を片手で受け止めた召喚獣だった。
「私の名前は魔神イリスそこの召喚獣をこちらに渡しなさい。そしたら命だけは助けて上げるわ。」
不敵な笑みを浮かべている。
「魔神だと!?魔神は全て封印されていたはず。」
「ふふふっ。封印は解かれたのよ。さぁ死にたくなかったら人の召喚獣をこちらへ寄越しなさい!」
イリスはとてつもない突風と共に背中の羽を飛ばしてきた。
「召喚!神竜カムイ!」
学園長が召喚した召喚獣が羽を全て弾き飛ばした。
「ほほぉ。邪魔ね、その召喚獣。」
一瞬とてつもない寒気を感じたその刹那。
「デスグルスナ」
イリスの目の前に黒い球体が現れた。
「カムイ行くぞ!究極魔法セイントエクルプシア」
カムイの口からとてつもないエネルギー量の光線が打ち出された。
その光線は周りの次元をも食い歪めながらイリスに向かって行く。
「死になさい。エクスプロージョン!」
そこで時は止まった。
そしてその黒い球体は全てを飲み込みながらカムイの方へ飛んでいく。
まるでブラックホールだ。
一瞬の事であるカムイが放った魔法セイントエクルプシアもの共カムイは黒い球体と消え失せた。
「この魔法に飲まれたら一生戻ってこれないわ。蘇生魔法でもね。」
「なんと言う事じゃ。」
「優理よ!召喚獣を連れて逃げるのじゃ!」
「防御結界アルスマタウォール!時間を稼ぐ間に逃げるのじゃ!」
そして優理とネルは走り出した。
「ネルお前は俺が守ってみせる。絶対にあんな奴に連れて行かせはしないぞ。」
「何を言っておる。お主とわらわが一緒なら負けはありえんのだ。絶対にお主を死なせたりはせん。」
2人は気付いていたイリスからは逃げれない事を。
しかしこれは悪あがきだ最後の希望を信じ優理とネルはめいっぱい逃げたのであった。
……To be continued
これからテロリスト編怒涛の戦いが始まります!