秋の雨
終わりのベチャイムが鳴る。
秋乃の学校は期末テスト控えた2週間前には部活動を
自主的に休める制度があった。
普段なら部活動ですぐさま部員たちは駆け足で
部活に向かうのだが
この時期は特別で、秋乃はまだ帰らないクラスの
みんなと少しばかり話し込んでいた。
期末試験はあるものの急いで帰る用事もない…
特に今日は雨。
ついこの間まで夏だと思っていた。
気がつけばもうカーデガンを羽織るほどの肌寒さだった。
ただ教室に残ってみんなとワイワイしていれば
そんなことも忘れて時間は過ぎていく。
「あたしもう帰るは、このあとバイトだし。」
この一言をきっかけに、みんなもじゃ帰ろうとかと
みんな思い思いに帰っていく。
「じゃ帰るか」
秋乃は内心、もっとみんなとしゃべっていたかったが期末試験のことも
ほってはおけないことを自覚していた
トボトボと一人廊下を歩いていく。
秋乃のクラスから下駄箱のある玄関に向かうには広い校庭を一望できる廊下を
渡って階段を降りていく。
いつもの帰り道と同じなのに今日はなんだか寂しい気分。
雨がそうさせているのかっとぼんやり校庭を眺めていた。
今日は期末試験もあり加えての雨で部活動をしている生徒は誰一人いなかった。
「そっか、今日は誰もいないよね」
秋乃は校庭を見送り3階から階段を降り、もう静まり帰った校舎の中を一人
下駄箱まで歩いていった。
靴を履き替えたところで傘立てから傘を探すと
「あれ?」
………………
「あーーーっ!」
つい大きな声を出してしまった。
そうだ…今日は朝登校中に妹の夏美に取られたんだった…
「お姉ちゃん!あたしもってくんの忘れたから借りてくねーーー!」
もう引き返せば遅刻確定だったのを知ってか知らずか悪気なく
傘を持ってく妹をしりめに今日は学校についたことを思い出した。
「夏美のやつ…」
だから雨は嫌いだんだ!
髪はくしゃくしゃになるし、服は濡れるし、今日なんかは寒いし!!
それに…
雨で部活動できなくて、先輩のこと見れないじゃん…
先輩は入学して早々、図書室がわからなくてキョロキョロしていた私に
親切に教えたくれた優しい人…
それ以来ずっと帰りに校庭を見るのが日課になってた
そう、いつもより寂しく感じたのは期末テストのせいじゃないんだ
雨はやむ気配はない
「あーーーこんな日、最低!!」
ガタンッ!
「!?」
物音がして秋乃は体が飛び跳ねるほど驚いた。
「ははっ、ごめん、聞いちゃったよ」
「!!!」
先輩!!
心臓が胸から飛び出そうになった。
「雨、止まないね」
「えっ、あっああっ」
もう何をしゃべっていいかわからない
次の瞬間何も言わずに私のそばに来て
「さっ一緒に帰ろ!」
背中を押されて校舎を飛び出た
「先輩、私のこと…」
「もう図書室にはいけるようになった?」
覚えてくれてたんだ…
秋乃はこの日以来、雨の日が好きになった。
今日みたいな秋の雨の日にとても恋の話を書きたくなりました。




