第2話
逃野は金髪の男に捕まってしまった。捕まってしまった理由として逃野は普段から運動をしていないということが考えられる。
金髪の男が逃野と向かい合う。
「今俺のことジロジロ見てたよな?」
金髪だというのもあるが顔も強面であり、威圧感が凄い。ただでさえ恐怖を抱く状況ではあるのだがその恐怖も倍増である。
「えっいやっあのっ、すいません!」
逃野はオドオドしながらもとりあえず謝った。他に方法が無いからだ。
しかし、ここは謝るのではなくまず金髪の男の質問に答えるべきであっただろう。
「謝ってくれるのはいいんだがよーニーチャン、質問に答えて答えてくれねーかな?」
逃野は素早く反応をする。
「あっいやっ凄く珍しい光景だったというか…ああいうの見るの初めてでしたのでついジロジロ見てしまいました…。申し訳ありません!」
「俺は見世物じゃねーんだけどなー。ま、いいや見物料をよこしな!ニーチャン!」
金髪の男は見世物ではないと言いつつも見物料を要求した。おそらくただ金が欲しいだけであろう。
「いっいくらですか…?」
逃野は恐る恐る尋ねてみた。もし全額要求されようものなら全額渡すつもりでいた。理由は痛い目を見たくないからである。ちなみに逃野の財布には3000円分のお札と500円玉が一枚入っている。
「あー?そーだな…1000円ってとこだな」
意外と安かった。逃野もそう感じ、財布から1000円札を差し出す。
「うっひょー!!金だー!!」
金髪の男はまるで童心に返ったかのように喜んでいる。逃野は喜ぶ金髪の男を見て一安心である。
「あの…では僕はこれで失礼させていただきます…」
逃野はその場を去ろうとした瞬間後ろから後ろ襟を掴まれた。その後、金髪の男は再び逃野と向かい合った。
「ちょっと待ちなニーチャン。俺が手から火を出せることは内緒にしておけよ。バレたらメンドクサソーだしよ。もしも口をはずしたりしたら…」
金髪の男は話をしながら手を開き大きな青い炎を上に向けて出す。
「痛い目見てもらうからなー?ニーチャンよぉ!」
「わっ分かりました!絶対言いません!!」
「分かればいいんだよ!じゃーなニーチャン!あばよ!!」
金髪の男は火を消し、どこかへと走り去っていった。
逃野は普段通り家に向かうのだが今は心臓がバクバクしており何も考えられない状態となっていた。