第3話 「学習」
夢が終わり、目が覚めた。
白み始めた空が窓から見えた。
、、、おっと?
えっ、もう朝なの?
早くない?
昨日の夢ってそんなに長かったか?
それとも異世界は時間の流れが違うのか?
全然わからん。
そういえば、言葉もわからないし、『俺』自身のことも知らないな。
(まぁ当たり前っちゃ当たり前なんだけど。)
暫くは情報収集でもするか、、、
➖3年後➖
どうも、3歳です。
やっと異世界がわかってきたよ。
いやぁー長かった。
なんてったって、文字と文法を覚えるだけで1年使ったからな。
(あとの2年はちょっとした筋トレか、本棚の本を読み漁るかどっちかしてた。)
なんだって?
時間かけ過ぎ?
無茶言うなよ。
教科書なんてないからな?
本なんて読んでも全くわかんないから、
絵本の絵で内容を予測して、
絵本を読んでもらい、発音を覚える。
さらに絵本の文字を見て、形を覚える。
という作業の繰り返しだったからな。
(メチャクチャ効率悪かったが、これ以外の方法が思いつかなかったんだ。)
言葉覚えてからは、楽だったけど時間かかった。
会話をひたすら盗み聞きして情報集めしたり、
本棚からなるべくエッセイや随筆を探し、歴史や常識を調べたりした。
その結果、わかったのは3つだな。
・時間の流れは変わらない。
(曜日は存在しない。)
・やはり魔法や魔物が存在する。
(ただし、それらについて詳しく述べている本は見つからなかった。)
・名前がわかった。
父ちゃんがフリト・S・アンガー。
母ちゃんがファフニル・アンガー。
そんで俺がフィクス・アンガーだ。
(ちなみにフリトにミドルネームがあるのは、貴族出身だからだそうだ。)
俺が疑問に思って調べたのはこれぐらいだ。
(他にも沢山あるが、雑学的な知識が多いので後々説明する。)
もちろんまだまだ調べたいと思うが、本棚の本は基本的に全て読んでしまったので、知識については一旦置いておこう。
そこで。
明日からはいよいよ武術を教わろうと思う。
あの親バカにな。
名前が判明しました!
補足。
主人公の家族の名前の頭文字は、“フ”で縛っているわけではありません。