プロローグ
「、、、これ錬金用じゃないじゃん」
神は白く輝く魔法陣を見て自らの失敗に気付いた。
「うわー、召喚用だよこれ。ミスったわー」
神が使ったのは、錬金用の魔法陣ではなく、召喚用の魔法陣だった。
そして、神はさらなる失敗を発見する。
「えーと、召喚しちゃったのは、、、」
「、、、《人間》?? 《人族》じゃなくて?」
《人間》を召喚してしまった。
《こちら側》の《人族》ではなく、
《あちら側》の《人間》。
「えっマジ?ガチで人間?」
「あの種族?まじで?」
「召喚しちゃったの?俺?」
神はもう一度、魔法陣を確認する。
魔法陣の上には、やはり《人間》がいる。
今は眠っているが、いつ起きてもおかしくない。
「、、、まじかよ。」
「他の神達に知られたらボコボコだな」
「1対4とか、、、いや1対3か?」
神は背筋が凍りつき、
悪寒が全身の走り抜け、
冷や汗が溢れ出た。
「転移させるしかないな」
「でも転移魔法は一瞬で他の神にバレるから転移させた理由を考えとかないと、、、」
神は部屋着のスウェットを冷や汗だらけにして考えた。
「理由があればなぁ・・・」
「むっ!」
奇声を発して神は目を見開いた。
「これだ‼︎」
神は仰向けから起き上がり、名案を思いついたようにこう言った。
「そーだよ。なんで気づかなかったんだろう」
「創ればいいじゃん!!それっぽい『理由』!!」
神は汗だくのスウェットから純白のローブに着替え、鼻唄まじりに『理由』を考え始める。
「何にしようかなー『理由』」