20、勇者に会い隊
『男僧侶が仲間になった
というより、邪魔をする現国王への
抵抗勢力を手に入れた、と
言った方がいいですかね。
しかし、嫌な組み合わせが生まれてしまいました
あの人たちが女勇者たちに
どう関わっていくのか・・・
できるならば、平穏がいいのですが
時は老魔法使いの言っていた半月後まで進みます』
「さぁ、爺さん私たちを半月近く待たせたんだ。
納得のいく説明をしてくれるんだろうね。」
別にそんなに長くなかった。
頭を整理するのにも、人と会うにも丁度いい時間。
お母さんにも会えたし。
「あんたの都合は聞いてないのよ。
さぁ、話してちょうだい。」
「確かに私にも少し長い気がしましたね。
里帰りもできない時間で中途半端でしたし。」
確かに、なぜ勇者失踪から15年という時間が必要だったのかは気になる。
説明を要求する。
「だからさっきからそう言ってるじゃないの!?
話の腰を折らないでってば。」
・・・ふぅ。ヤレヤレ
「なによ!そのたi
「コントは止めてくれんかのう?
ワシとて待たせたくて待たせたわけとちゃうわい。
訳なら話すから、お笑いならよそでやってくれい。」
ほら怒られた。
「誰のせいよ!?誰の!」
「まぁまぁ落ち着いて。」
「・・・ワシすねるぞ?」
「ふははは。老魔法使い!
お前がそこまで手玉に取られるとは長い事生きてみるもんだの!!」
「黙れ現国王。
蹴飛ばすぞ。」
「やれるもんならやってみろ。
その代わり説明は全部老魔法使い、おぬしがやれよ?」
「・・・・ふん!」
なんだか疎外感。
「お主らがやりはじめたことじゃろうて。
まったく・・・」
「まぁまぁ、皆さん。
では、これから現国王様と、老魔法使い様から今回の件についてのご説明をいただけるのですね?」
「おぅその通りだ。
最もワタシは補足程度だがな。」
「主な語りはワシじゃ。
ワシ以外には話せん内容が多いからの。」
「では、なぜ勇者が失踪してから15年近く経つまで待たなければならなかったのか、
これから説明していこうかの。
まずは大前提じゃ。
勇者は現国王に異世界【地球】から事故で召喚された魔王討伐の切り札
魔王を5度討伐し、この国いやこの世界を救った男
しかし、女運はなく、女僧侶は男魔法戦士に寝取られ
利用された女は貴族子女、女騎士、女商人と数多い。
本気で愛した看板娘は奴隷落ちし死亡の噂が流れる。
森の民・女、魔王3の時は既に愛というものが分からん状態であった。
そして、強くなりすぎた勇者は一部の人間から疎まれ孤独に拍車をかける。
そして、勇者としての力を失い一時ヒモになるが、後に失踪。
ここまではええの?
問題はここからじゃ。
あやつは勇者としての力を失った、つまり、勇者の力-常時魔力で異常に身体強化させる-が無くなった。
よってあやつは勇者の力で消費されなくなった魔力を用い、魔法の研究をしておる。
その魔法は禁忌も禁忌、神に仇なす所業 『死者蘇生』
・・・今厨二というたやつ出てこい。隕石落下くらわしちゃる。
何故知っておるのか?と・・・
簡単な話じゃよ。あやつは
勇者は過去のワシじゃ。
・・・今トンデモ設定乙と思った奴出てこい。ワシもそう思う。
まぁ、女勇者にはバレとったみたいじゃがの。
確かに以前の話で少しヒントを出し過ぎた感はあるの。
誰も知らんはずのカタカナ文字を使うたり、主観が多かったからの。
元国王にもあとでツッコまれたわい。
ワシと今の勇者の大きな違いはワシが魔王4までしか討伐を成功していないということじゃ。
ワシは魔王4との戦いで看板娘との娘、元奴隷娘を死なせ、その隙に魔王4に今の勇者と同じ呪いをかけられた。
かろうじて魔王4と勝てたワシは娘の死を受け入れられず、魔法という奇跡に頼った。
そして、ワシは15年の歳月をただ魔法の研究に費やし、試験魔法の実験を行った。
実験は失敗。
ワシは見知っているようで見知らぬ土地に放り出されていた。
そこは今から45年前、つまり勇者召喚の15年前の人間の国じゃった。
しかも元国王の私室・・・あんときは死刑を覚悟したのぉ。」
「へん!良く言うの。
あんな尋常じゃない魔力と、意味のわからん現象を引き起こした張本人を拘束出来るなどとは、誰も思わんかったわい。」
「まぁ、そこでワシと当時の国王は出会い、自分の事情を話し、元の時代に戻ろうとした。」
「しかし、ワタシは食い止めた。
例えウソだとしても未来を知るかもしれない人間を手放すなどとは、国益からもあほな選択だしの。
まだその時は魔王の被害は抑えられていたからなおさらの。」
「ワシは迷った。
昔から勇者として騙されてきたワシは既にこの国を信用できていなかった。
しかし、『もしも国の後押しが得られて、死者蘇生を完成させたら・・・』『何故ワシがあれほど裏切られたのかが分かるのでは・・・』
そうおもったら、ワシは当時の国王と手を結ぶ事を約束していた。」
「何を言っておる。
帰るための魔法が完成させられなかったからじゃろうが。」
「それももちろんあったが、そんなもの5年も元の死者蘇生(失敗)魔法を研究したら完成させられたわい。
それよりも未来の自分の幸せを成就させてから帰ろうと思ったから、未だに帰っておらんのじゃ。」
「そして、ワタシは未来の情報の一部を老魔法使いから受け取り、国政に活かした。
ただし、ほとんど教えてもらえんかったがの。」
「あたりまえじゃ。
未来の情報などと言うのは反則にも程が有るし、信用できる相手ではないと思っておったしの。」
「「「ポカーン」」」
「あ~、呑みこめんのもわかるが、今はそんなもんじゃと思って聞いといてくれ。
つまり、15年待ってもらったのはヒッキーかましてる今の勇者が死者蘇生の実験のために自分から出てくるからじゃ。」
つまり、未来、あなたにとっての過去が分かっているから、勇者は待っていれば出てくる事が分かってた。
その時になると会える、もしくはその時にならないと会えない事情が有った?
「その通り、今あやつ、つまり過去ワシが潜伏していたのは、この人間の国の城地下じゃ。
そこに到達するまであまりにえげつない罠群が張り巡らされていて、今の勇者ならなんとか通れるレベルで、このメンバーがこちらから会いに行こうにも途中で誰かが死んでしまう可能性が有った。
よって、危険を犯すよりも皆で安全に会える今を選択したというわけじゃ。」
しかし、いくらこの城の近場で魔法の実験を行うと分かっていてもあなたの過去とは違いが出ているはず。
その影響によって、いつ、どこで、どうやって、本当に、魔法の実験を行うのか、それは確定ではないと思うのだけど。
「そ、その通りよ。
未来だの過去だの、正直私の処理能力を大幅にはみ出ていて、いまいち理解できないけど、勇者様と確実に会えるとは限らないんじゃないの?」
「それは大丈夫じゃ。
あやつは、いや『俺』は必ず数日、早ければ明日にでも試験魔法の実験を行う。」
「な、何故その様な事が断言できるのですか?」
「それは・・・」
「いやそこからはワタシが話そう。」
「父上?」
「まずワタシと老魔法使いが友となったのはおよそ23年前
つまり、勇者が魔王3を討伐した後だ。
それまでワシは老魔法使いが勇者である事も、勇者がどのような道を歩んでいるのか、歩んでいくのかを一切教えられていなかった。
しかし、それは勇者が幸せになれる時期を逸してしまっていた。
よって、友誼を結んだワタシたちは勇者の未来に希望をつなげる事にした。
看板娘が死んでいない事は分かっていたし、最後の救いとして元奴隷娘も存在していた。
ワタシたちはなんとか勇者に救いが残るように動いた。
しかし、歴史には修正力というものが備わっているらしい。
結果として魔王4は倒しても魔王5に呪いを受けたし、元奴隷娘は魔物に殺されたし、娼婦に堕ちたとはいえ、過去の妻である看板娘とやり直せたのに看板娘だと気付かず失踪した。
そのことからも、修正力が働くと考えられる大きな出来事は大筋は変わらず発生する。」
「ちょっと待ってよ!
それなら勇者様が必ず魔法の実験に失敗して過去に行ってしまうってことじゃない!!
もし今回が成功しても、大筋が変わらないんだったらいつかは過去に行ってしまうってことも変わらないってことでもあるんでしょ!!?」
・・・・・・
「なんであんたはこんな時に黙ってんのよ!?」
「黙って下さい!」
「っ!森の民・女何言ってn」
「今重要な話をされているんです!!
話を最後まで聞かずに責めるのは早すぎます!
一番取り乱したい女勇者様がどっしりなされているんです。
あなたが取り乱してどうするの?!」
「っっ!
・・・えぇ、そうね。頭に血が上りすぎたみたいね。
ありがと、森の民・女。」
「いいえ、それにもし本当に、何の考えも無しにこのような話をなされていたとしたなら、それはその時に追究しましょう。
今は話をきいて、それから判断する時です。
冷静にならなければ、良い話も悪い話に変わってしまうかもしれないのですから。」
騒がぜた。続きを話して。
「・・・歴史の修正力は凄まじい。そうワタシは言ったな。
しかし、その修正力を受け付けんモノがある。
それは世界の運命を変えるという称号<勇者>だ。」
<勇者>・・・
「そう、ワシらは考えた。
今の勇者とワシが勇者だった時の差異を。
それは女勇者おぬしの存在じゃ。
ワシは魔王4を討伐したと同時に姿を消したため、ワシのいたはずの世界、時間軸ではおぬしは絶対に産まれておらん。
そして、おぬしは魔族との講和などという、前代未聞な事をしでかした。
いや、そもそもしでかそうと考えた。
これは今までの人類史で出た事の無かった考えじゃ。
なぜここまで劇的に変化を促されたのか?
ワシらの立てた仮説はこうじゃ、
『勇者が子供を成した瞬間に<勇者>の称号はその子供に移行された。ゆえに歴史の修正力を今の勇者が受けた。つまり、<勇者>の称号を持っているモノは歴史の修正力の影響がない、もしくは少ない』
もちろん、影響が皆無というわけではないだろう。
勇者は<勇者>の称号を持っていてもワシと同じく勇者としての力をなくす呪いにかかったし、娘を助けられなかった。
しかし、それは周りの<勇者>以外が強く影響されたがゆえに回り回って勇者に来たと考えられる。
よって、<勇者>とは歴史の修正力の影響を最小限にし、大筋を変えられる唯一の存在である。
そして、今<勇者>の称号を持っていない勇者は修正力の影響を絶大に受けている。
ならば、魔法の研究開始から15年の今頃に必ず試験魔法の実験を行う。
ワシらがなぜ勇者が出てくるか確信を持っておって、なおかつ焦りが少ないか、分かったかの?」
正直ほとんど理解できない内容。
だけど・・・
私はお父さんに会えるんだよね?
あとほんの少し、我慢して、頑張る事が出来たら、お父さんに会える事が出来るんだよね?
今まで私がやってきた事は無駄でもなかったし、間違いでもなかったんだよね?
「あぁ、そうじゃ。
よう頑張ったの。もしかしたら生まれていたかもしれんワシの娘よ。」
そう・・・
そうなんだ・・・・・
「・・・今は我慢する必要ないと思うわよ。
今まで頑張り通しだったよね。
あんたの道は間違ってなかったんだよ。
あとすこしなんだ。今くらい張り詰めてきた心をさ、緩めてもいいんじゃない。
誰も馬鹿にしないし、呆れたりしないからさ。」
王妃・・・
私怖かった。
お父さんが本当はめちゃくちゃ悪い人だったらどうしようって
お母さんを捨てた人なのかもとか、死んじゃってるんじゃないかとか
「あぁ。」
森の民・女・・・
お父さんが信じられなくて、信じられない自分が情けなくて・・・
でも、違うんだよね。
お父さんはすごかったんだよね。
私は胸を張ってお父さんを信じていいんだよね。
「ええ。」
もう、いん、だよね?
あとすこし、だもんね。
いまさ、
泣いても いんだよね。
もうさ 張り詰めて、なくて いんだよね?
「「うん!!」」
あぁ、あぁぁぁ!
うあぁぁぁぁああああぁ!!!!うぁあぁああぁあああああ!!
お父さん!!良かった!!良かったよぉぉぉ!!
会えるんだ!!お父さんにあえるんだ!
お父さんとお母さんと私で!!家族3人でくらせるんだ!!
良かったよぉぉぉぉぉ!!あぁぁぁぁ!!!うわぁぁぁぁぁぁあぁん!!!
・老魔法使いはタイムスリップ当時、元国王にも不信感を抱いていましたが、
色々あって、今ではガチの親友です
・カタカナ言葉は意識して勇者以外に使わせていないはずです!
これは前から考えていたものですからね!!ドヤァ←ウザ
・そして、今まで不思議ちゃんな口調だった女勇者がデレましたww
張り詰めていたから、そっけない口調だったということにしてください(-_-;)
・修正力云々は
元の歴史1⇒1⇒1⇒1⇒1・・・
1⇒勇召⇒2⇒2⇒2⇒2⇒過去へ・・・
1⇒勇召⇒2⇒<勇者>消失⇒2⇒2⇒女勇⇒3・・・
こんな感じに歴史を変える事が出来る新たな<勇者>が現れなければ
一個前の歴史に準拠されるっておもっていただければOKです
次回!勇者に会い隊出動!




