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16、講和

『無事、森の民・女を仲間にし、

 共に魔族の国に行くこととなった女勇者


 ようやく魔王様と正式に謁見

 これでようやく講和と成ります


 ところで、人間の国に残してきた

 現国王様はどうしているのでしょうか?


 講和の合間にでも少しのぞいてみましょう』


「お待ちしておりました。女勇者様御一行様でありますね?


 遠路はるばる、ようこそお越しくださいました。



 私が、当代魔王です。



 本日は皆様の労をねぎらうため、ささやかですが、会食の方を用意させていただきました。


 今までの関係は今日だけは何も考えず、お楽しみください。



 では、本日の宿にご案内させていただきます。」



「あれが魔王?

 なんか、思ってたよりもひょろいわね。


 あたしでも勝てそうじゃない?」ボソッ



「確かに力はそこまで強くないでしょう。


 けれど、あの魔力の制御を見てみて下さい。



 あの奥底に眠る莫大な魔力。

 あれをほとんど見抜けないように制御するのは並大抵ではありえませんよ。


 森の民でも、あれほどの魔力を制御できるのは居ないでしょう。


 それほど魔力の扱いに長けているのですから、彼の魔法は侮れません。」ボソリ



 どうでもいい。

 勝てるかどうかは今は関係ない。



「・・・そうね。悪い癖だわ。

 国の頭なんか張ってるとどうしても、思考が偏りがちになるのは一種の職業病ね。」



「そうですね。

 今は小難しい事は抜きにしておきましょう。」




「それでは、本日の宿はこちらになります。


 会食は夜の鐘が鳴るので、そちらを合図にお迎えにあがります。



 ごゆっくりどうぞ。」



============================



「びっくりするわね。


 こんな立派なお屋敷が有るなんて・・・



 頭では人間と同じ種族だっていうのは分かってるんだけど、今までが魔物といっしょくたにしてきたから、こんなうちの国に負けないくらいに文化的なのはちょっと衝撃。」



 私は魔族との接触がほとんどないから、そんな先入観はなかった。



「これからは、そんな様に魔族との戦争を知らない世代に変わっていくのですね。


 魔族や私たち森の民は人間に比べて寿命が長いですから、その速度は遅いですけれど、いつか争いを知らないような世界になればいいですね。」



「そんな夢物語を私は信じないわ。



 けど、そんな理想に向かって努力することは大事よね!」



 皆が笑顔でいられる世界を目指そう。


 魔族との講和はその第一歩となるはず。



「皆が笑顔でいられる世界・・・ですか。



 それいいですね。」



 ところで・・・



「うん?」


 人間の国元はどうなってるの?



「なにがよ?」


 現国王は私の<勇者>着任にものすごく反発してた。

 魔族と講和する事に関しても、一度も賛成された覚えがない。



 もし、今現国王が何かしらの動きを見せていたら・・・



「確かに、


 もし、今何か動かれて、王妃様の権力を奪っていたら・・・


『お前の席ねぇから!!』状態に!!?


 あぁ、お(いたわ)しや!!」



「んなことはないから!



 全くもう。


 あの男が何か動いたところで無駄よ。

 私には優秀な部下がいるし、あの男の頭は戦いになら使えても、政治にはさっぱり使えないものだから。」



 いわゆる脳筋、だと。


「えぇ、その通り。」



「けれど万が一何か予想外の事が起きたら・・・」



「あんたはどんだけ、私を追い詰めたいのよ・・・?



 あいつには権力を持たせていないし、あいつの近くにいるのは私の息のかかった者だけ。


 誰かに助けてもらおうにも、周辺には助けを求められるような貴族はいないわ。



 証拠に今までも妨害らしい妨害は無かったでしょう?」




 確かに・・・

 今までの道で邪魔だと思ったのは野党が2組程度。



「でしょ?


 どうしても気になるなら、簡単な報告書が届いてるわ。

 読んでみる?」


 一体いつの間に。


「それは乙女の秘密よ♪」


 年増のくせに。ボソ


「年増っていうなーー!」




==============================



「えぇい!!


 まだ、あの忌々しい女勇者を葬れんのか!!



 女勇者たちの暗殺を命令した8組の報告はまだか!!」



「報告でしたらもう、来ておられますよ?」


「何!!?


 何故すぐ渡さん!!」


「命令されておりませんので。」


「グッ!


 どいつもこいつも、あの王妃にたぶらかされおって!!


 俺は国王で、一番偉いのだぞ!?

 俺がいなければこの国はなくなるのだぞ!!?


 くそ!馬鹿にしおってから!


 早く報告書をよこせ!!」



「なになに?」


 1組目『野党を装い、接触、ゴミを見るような目で瞬殺』

 2組目『周辺の警吏を装い、接触、意にも解されず無視、その後無理やりに接触を図ろうとしたが、瞬殺』

 3組目『後を付けていたらいつの間にか消えていた』

 4組目『進行方向を予測して待ち伏せ、失敗、何故か反対方向の街での目撃情報が出る』

 5組目『進行方向を予測して待ち伏せ、失敗、何故か反対方向の街での目撃情報が出る』

 6組目『進行方向を予測して待ち伏せ、失敗、何故か反対方向の街での目撃情報が出る』

 7組目『いや、私たち王妃様の味方ですのでそんなこと言われても・・・』

 8組目『だりぃ』



「な、ななな、なんだ!これは!!!


 1組目と2組目はまだいい!!

 それ以外は何なのだ!!



 特に最後の2組!!報告書ですらないではないか!!

 こいつらは男僧侶が手配した奴らだったな。

 


 おい、男僧侶を呼んで来い!!」



「・・・では、失礼します。」


   ・

   ・

   ・


「よ、呼んだかい?男魔法戦士。」



「いつまで幼馴染でいる気だ!

 俺はこの国の王だぞ!?


 なれなれしく俺の名前を呼ぶな!」


「ご、ごめんよ。い、いや、申し訳ありません。



 何かお申しつけでしょうか?」


「これを読んでみろ。



 こいつらを手配したのはお前だったな?


 なんだこのざまは!!?

 まともに相手にされてもいないではないか!」



「し、しかし、王妃様の統治は隙も少なく、それらの者たちもぎりぎりの橋を渡って依頼できた者たちです。


 元より、女勇者の強さは全盛期の勇者をも越えるのではないか?と噂されるほどでして・・・」



「言い訳は聞かん!!


 これ以上の失態を繰り返してみろ!

 お前が僧侶として活動できなくしてやる。


 今まで僧侶一本、神への信仰のみで生きてきたお前には何よりの罰となろう!!」



「わ、わかりました。」



================================



「と、まぁ、こういった具合かしら。


 ていうか、道に迷っただけなんだけどね、追っ手をまいたのは・・・




 まぁ、だから、心配する必要はないなーい。



 今は目の前の事だけを考えましょう。」



 目の前の事・・・

 会食は何が出るのか?



「目の前すぎますよ。」クスクス


「本当、花より団子ね。あなたは。」


 ブーブー(棒読み)



『やはり、男僧侶と現国王は通じていたのね。

 何をしてきても彼女の腕なら大丈夫だろうけど、搦め手で来られたら少し危ない・・・



 危ないはずよね?


 なんだか、危機に追い込まれるあの子の姿が想像つかないわね。』


 何を考えてるの?


「え?


 いや、なんでもないわ。    カラーンカラーン


 ほら、鐘もなったことだし、準備しましょう。」



 うん。



『まぁ、結局相手が動かない限り分からないわね。


 なら、今はその事は置いておきましょう』



============================



「お待たせいたしました。



 料理の方はいかがでしたか?」



 あっさりしていて素材の味を活かした良いものだった。



「ここには香辛料や塩を産出できるところは少ないですからね。



 代わりに温暖な気候から、食材は豊富なんですよ。」



「私たちの集落では香辛料が多い料理が主でしたから、最初は少し戸惑いましたが慣れると美味しかったですよ。」



「そう言っていただければ幸いです。」




「雑談はそこまでにしないかしら?



 私たちに時間が有ると言っても、今回の件は早いに越したことは無いんだから。」



「せっかちな女性は嫌われますよ?


 まぁ、いいです。



 あなたたちの目的は、最近噂になっているあの件のことでよろしいので?」



「それがどんな噂か知らないけれど、魔族と仲良くしたいって感じの噂なら、その通りよ。



 私たちはあなたたち魔族との長きにわたる闘争状態からの講和を成しに来たの。



 同じ人間としてね。」



「そうですか・・・



 ようやく時が来たと言うのですね。



 いえ、その予感は既に有りました。



 ですから、お待ちしておりました。


 僕は魔族と人間が有りもしない垣根を飛び越えて、手を取り合えるこの時を10年待ち続けました。



 あなたたち、勇敢なるものに敬意を表して、ここに講和に同意する事を宣言します。」



 講和をするための条件は決めなくてもいいの?



「そんなものはあとでいくらでも決められます。


 僕たちはそのような利権や、企みなどといったものを気にしないで講和を決定しなければいけません。」



「そ、そんなものって


 一応私たちは国の頭としてこの場に参席してるのよ?」



「だって、せっかく分かりあえたというのに、その理解が黒々しい腹の読み合いの上でしか成り立たないなんて、悲しいじゃありませんか?



 同じ人間同士として初めての行いです、私たちは誠意を尽くし、力を用いずに言葉でこれを成したのです。」



「・・・えぇ、そうね。


 私たちは平和の歴史の一歩を踏み出したのね。



 そこを何かで汚すのは確かに、無粋だったわね。


 けど、条件についてはあとで、きっっっちり!詰めさせてもらうわよ!?」



「くすくす。


 そうですね。その時は私も入れて下さいよ?



 魔法と香辛料だけがうちの取り柄ではないのですから。」





 ・・・これで、今までの強さ至上は徐々に薄れていく事になる?



「えぇ、勇者と魔王の対立なんて忌まわしい図式は成り立たなくなりました。


 これで未来において彼の者たちのような不幸は起こらずにすむでしょう。」




「・・・僕はね、できる限り力を使わないようにしてきたんだ。



 他の魔族を説得するときにも一切。




 強い力はどんなものでも打ち負かすことができるけれど、思いを込めた言葉の持つ力は、そうやって打ち負かされたものを、より強くよみがえらせる事が出来ると信じて。



 力を持っていたがゆえに死んだ家族のためにもね。




 だから、力は重要ではなくなってくるよ。


 もちろん魔物が存在する限り、必要ではあるけど、偏重して見られる事はグンと減るはずだよ。」




「じゃ、本音を語り合ったところで、実利的な話し合いにしましょう!


 これを決めない限りは、私たちは国に帰れないわ。



 女勇者は聞いてても分かんないと思うけど、来る?」



 いく。

 私が成した事がどのような影響をもたらすのか、最後まで見届けるのは責任。



「そうですわね。


 じゃ、私達と一緒にお話しましょう。」



「では、僕の執務室に移動しましょう。



 資料は既に整えておりますからね。」



 じゃ、行こう。





『彼女の勇者となる旅はこれで終了。



 次からは勇者様を実際に探す事になります。



 彼女は<勇者>の称号を手にし、どのような情報を手に入れられるのか?


 願わくば、彼女の道に億千の幸せが有りますように。』




 ???



「なにやってんの?

 早く行くよ!」



 分かってる。


 ????



 今行く!




『勘の鋭い方です。



 それではまた次回お会いしましょう。』





これで、自称勇者・活躍編は終了で~す


次からは新しい章になります

といっても何ら変わりはありません


ただ、女勇者が勇者探しを行い始めるだけです


しかし、そろそろ伏線の回収と新たな伏線の張りかえをせねば!


どんな伏線を入れたのか忘れてしまったから、読み直さないとwww

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