表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
『AI探偵シャーロットの最適解〜論理100%の彼女は人間の嘘(こころ)が解らない〜』  作者: 仁胡 黒
第一部:探偵始動・事件編

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

20/24

第11話 断罪の回路(前編)

こんにちは、仁胡 黒です。

三年前、和戸 宗治からすべてを奪った爆破未遂事件「フェーズ・ゼロ」。

その現場で糸を引いていたのは、かつての同僚であり、現在は警察内部で権力を振るう男・九条でした。

奪われたデータ、書き換えられた過去。

和戸はシャーロットと共に、九条が潜む「聖域」へと足を踏み入れます。

しかし、そこにはシズク・セラミスさえも予期せぬ、新たな絶望が待ち受けていました。

因縁の対決、その幕が上がります。

降りしきる雨が、新宿のネオンを滲ませていた。

 俺は雑居ビルの屋上に立ち、右目のデバイスを最大出力で稼働させていた。視界の先には、警察の息がかかったフロント企業が入る、強固なセキュリティを誇る高層ビルがそびえ立っている。


「……シャーロット。九条の居場所は?」


『……特定済み。最上階の特別応接室です。周囲には「レムナント」から貸与されたと思われる最新型の自律歩行ドローンが4機。……和戸、まともに行けば30秒も持たずにハチの巣ですよ』


耳元で響く冷徹な分析。俺はポケットからライターを取り出し、親指でカチリと音を立てた。


「まともに行くなんて、誰が言った?」


俺はビルを繋ぐ送電線に、特製のグラップリングフックを引っ掛けた。

 シャーロットが即座に周囲の監視カメラをハッキングし、俺の姿が映らないよう「0.5秒前の静止画」をループさせる。


『……ハッキング完了。監視の死角を形成しました。……さあ、かつての上司に「退職の挨拶」をしに行きましょうか』


窓ガラスを無音で切り裂き、俺はビル内へと侵入した。

 無機質な廊下を抜け、最上階の重厚な扉を蹴り破る。


そこには、ワイングラスを片手に夜景を眺める、恰幅のいい男がいた。九条だ。


「……来たか。三年前の『落とし物』を取りに」


「九条。……あんたの悪趣味な隠れん坊も、今日で終わりだ。フェーズ・ゼロ、そして俺の右目の『中身』……全部吐いてもらうぜ」


九条はゆっくりとこちらを向き、冷笑を浮かべた。その瞳には、人間らしい感情など欠片も宿っていない。


「和戸。お前は何も分かっていない。……シズクのような末端の操り人形と踊って、真相に辿り着いたつもりか? あの事件は、ただの始まりに過ぎない。……すべては、彼女を『完成』させるための糧だったのだ」


九条が指差したのは、俺の右目。すなわち、シャーロットだった。


『……!? 和戸、警告! 私の深層ログへ、外部から未知の「認証コード」が送信されています! これは……私の開発者しか知り得ないはずの……!』


突然、右目のレンズが激しい赤色に染まり、俺の脳内に鋭い痛みが走った。

 九条が不気味な笑みを深め、胸ポケットから一つの小さなリモコンを取り出した。


「お前という『檻』の中で、彼女は十分に学習した。……さあ、帰還リターンの時間だ」

お読みいただきありがとうございました。

第11話の前編、いかがでしたでしょうか。

ついに九条と対峙した和戸。

しかし、九条が口にしたのは、シャーロットの存在そのものを根底から覆すような不穏な言葉でした。

シャーロットに仕掛けられた「帰還」のコードとは?

そして、和戸を襲う脳への負荷。

絶体絶命の危機に、和戸はどう立ち向かうのか……。

気になった方は、ぜひ評価、ブックマークをお願いいたします!

解決編、物語の根幹に触れる衝撃の展開を準備しております。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ