1話 ノアの兄
「ノア!!」
「大丈夫か!!?」
ククとワールが駆け寄ってくる。
「うん!ぼくは大丈夫だよ!2人こそ大丈夫?」
「ああ、助かったよ。ノアがいなかったら完全にやられてたぜ。」
「ほんとにダメかと思ったわ…ありがとう、ノア。」
「困ったときはお互い様でしょう!全然いいよ!」
『でもどうしてテテル草原にゴブリンがいるんだろう。ここには魔獣が生息していないはずなのに…』
「ところで、2人はどこで魔獣に襲われたの?」
「隣町のドームからテテル草原に入って結構してからだぜ。巨岩を過ぎた頃だったな。」
「そうね。大体2時間くらい歩いた辺りかしら。」
テテル草原の中央にはテテルの巨岩と呼ばれる大岩が佇んでいた。
「うーん、テテル草原に魔獣はいないはずなんだけどなあ。」
「そうだよな?あんなのはじめてだったぜ。」
「急に襲ってきてめちゃくちゃ怖かったわ。」
「と、とにかく2人が無事でほんとによかったよ。」
ノアは2人と共に村へ帰ることにした。
「2人は商人だったよね。ドームで商売してたの?」
「ああそうだぜ。ちょっと小遣い稼ぎをな。」
「ククったら来月結婚1周年記念日だからって張り切っちゃって。」
「バッカ!恥ずかしいからやめろって!」
「あははは!」
「うふふふ」
ククは耳を真っ赤にしていた。夫婦仲がよくて何よりだ。
「と、ところでノア。今日は助けてもらったしウチで飯でもどうだ?ワールの飯は美味いぞ!」
「あら、いいじゃない。ぜひお礼させて。」
「うーん。すごくありがたいんだけど、今日はやめとくよ。」
「あら、どうして?」
「今日は兄さんが帰ってくるんだ!だからどうしても家で食べたいんだよ。」
「お、ノードが帰ってくるのか!」
「そりゃあ仕方ないわね。また今度ね。」
「うん、ありがとう!」
ノアには5つ離れた兄―ノード―がいた。ノードはテテル村含む―ロブロス王国―の精鋭魔導騎士団に最年少で入団した。国防のため普段は王都で暮らしている。ノアはそんな兄を尊敬し、帰ってくるのを待ちわびていた。
ノアがノードのことを熱弁しているうちに、気付けばテテル村に着いていた。
「改めて今日はありがとな!」
「ほんとにありがとうね。ノアはノードに似て強いわね。」
「えへへ…兄さんはもっとすごいよ。いつか兄さんと一緒にこの国を、そしてこの村を守りたいんだ!」
「いい夢じゃねえか。ノードのやつ、きっと喜ぶぜ。」
「そうね。あ、また改めて今日のお礼させてね。」
「うん、ありがとう!2人ともじゃあね!」
ノアは2人の返事を待たずに走り出した。兄、ノードに会いたくて仕方がなかったのだ。
家の少し手前まで来た頃、真っ白の鎧に身を包んだ青年が視界に映った。
「兄さんだ!おーい、兄さん!!」
青年は振り返り手を振る。
ノアは全速力で兄の元まで走った。
「ノア、元気そうだな。いい子にしてたか?」
「おかえりなさい兄さん!うん、ちゃんと毎日欠かさずに魔法の練習してたよ!」
「はっはっはっ、さすが俺の弟だな。偉いぞ。」
ノードはノアの頭を撫でる。ノアは嬉しそうにはにかんだ。2人は一緒に家まで帰った。
コンコンコン。
ノアがノックする。
「ノアー、おかえりなさい。ってノードも一緒じゃない!2人とも、おかえりなさい。」
「ただいま、母さん。」
「お母さんただいま!お腹すいたよー。」
2人は家に入っていった。
「もうすぐご飯出来るから手伝ってちょうだい。」
「はーい!兄さんは疲れてるだろうし座って待っててよ!」
「ありがとう、ノア。ところで父さんは?」
「多分作業小屋にいると思うわ。ノード、帰ってきたばっかりで悪いけど、呼んできてくれない?」
「分かった。」
ノードは家の隣にある作業小屋へ向かった。
「父さん、ただいま。」
「おお、その声はノードか!よく帰ったな!」
父が小屋の奥から顔を出した。顔は少し汚れていた。
ノードは手拭いを渡した。
「ありがとな、ノード。」
「お疲れ様。母さんがそろそろご飯出来るって。」
「おう、そうか!すぐ向かうから先に戻っててくれ。疲れただろう。」
「分かった。」
ノードは小屋を出て、家のドアの前で立ち止まった。
「ただいま。」
ノードは家に入っていった。
ご覧頂きありがとうございました。
記念すべき1話目ということで、ここから「フェアリーライフ」が始まっていきます。
ぜひ暖かく見守って頂けたらと思います。
そしてちょっとした補足です。
「」は会話、実際に登場人物が喋っているときに使用します。
『』は思想、頭の中で登場人物が考えていることを表すときに使用します。
今後もこの表記を変えるつもりはないですが、もし「こっちの方が見やすいよ!」みたいなアドバイス等ございましたらドンドンコメントください。よろしくお願いします。
第2話も投稿されたらぜひご覧下さい。




