迷い狸
小学生の里奈はいつものように下校していた。里奈は都内に住む小学校2年生。ぬいぐるみが好きで、部屋には多くのぬいぐるみがあるという。クリスマスや誕生日のプレゼントではたいてい、ぬいぐるみをもらうのが定番だ。
一緒に歩いている七子は里奈の友人で、同級生だ。2人は幼馴染で、とても仲が良い。いつも一緒に下校している。
「じゃあね、バイバイ」
「バイバイ」
里奈は踏切の前で別れた。菜々子は踏切を渡らずに左折するが、里奈は踏切を渡る。遮断桿は上がっている。今のうちに渡ろう。そして、早く家に帰ろう。家では母が帰りを待っているだろう。
と、踏切を渡り終えた先の交差点で、里奈はぬいぐるみを見つけた。うさぎのぬいぐるみだ。誰かが捨てたんだろうか?
「あれっ、このぬいぐるみ、何だろう」
里奈はかわいそうだと思った。こんなにかわいいのに、どうして捨てたんだろうか? 自分が持って帰ろうかな?
「かわいい! 拾ってこ!」
里奈はうさぎのぬいぐるみを拾った。里奈は一瞬で気に入った。里奈はうさぎのぬいぐるみを持って帰った。
里奈は家の前にやって来た。里奈の家は2階建ての白い家で、1階にリビング、ダイニング、座敷、トイレ、洗面所、風呂場があり、2階に両親と里奈の部屋がある。
「ただいまー」
里奈が入ると、母がやって来た。母はエプロンを付けている。夕食を作っているようだ。
「おかえりー」
里奈はすぐに2階に向かった。自分の部屋に行くようだ。里奈は自分の部屋に入ると、適当な位置にぬいぐるみを置いた。里奈の部屋には、いくつものぬいぐるみがある。里奈はみんな、とても気に入っていた。今日拾ってきたうさぎのぬいぐるみも、とても気に入った。
「ここに置こうっと」
里奈はうさぎのぬいぐるみを棚に飾った。里奈は改めて、かわいいと思った。
「本当にかわいいな!」
「里奈ー、ごはんよー」
母の声だ。どうやら晩ごはんができたようだ。
「はーい!」
里奈は部屋を出て、1階に向かった。その時、里奈は気づいていなかった。うさぎのぬいぐるみが動いているのを。
里奈は晩ごはんを食べ終えて、部屋に戻ってきた。今日も疲れた。だけど、明日も小学校に行かないと。疲れたと言っていられない。
「はぁ・・・」
里奈はうさぎのぬいぐるみを見た。だが、里奈は違和感を覚えた。うさぎのぬいぐるみのデザインが拾った時と違っているのだ。これはどういう事だろうか?
「あれっ!? 今さっきと位置が変わってる。どうして?」
だが、里奈はあまり気にしなかった。かわいいからそれでいいと思っているようだ。
「まぁいいか」
里奈は全く気にする事なく、部屋でくつろいでいた。
その夜の事だ。いつものように里奈が寝ていると、部屋が明るくなった。その光で、里奈は目を覚ました。一体何だろう。誰が明かりをつけたんだろうか?
「あれっ、ここは?」
里奈は辺りを見渡した。いったいここはどこだろう。自分の部屋じゃない。まるでここは森のようだ。どうしてここにいるんだろう。まさか、夢だろうか?
と、里奈はあるものを見つけた。うさぎのぬいぐるみだ。どうしてここにあるんだろう。里奈がうさぎのぬいぐるみを見ていると、そのぬいぐるみはどんどん何かに変化していく。
「あれっ、ぬいぐるみが!」
ぬいぐるみはその後も変化していき、狸のぬいぐるみ、いや、狸になった。まさか、あのぬいぐるみはタヌキが変身したものとは。里奈は驚いた。
「お母さん!」
里奈は声に気付き、振り向いた。そこには目の前の狸よりも大きな狸がいる。その狸は2足歩行をしている。どうやら化け狸のようだ。狸の親子は再会して、抱き合った。
「やっと会えてよかった! 帰ろう!」
「うん!」
狸の親子はいっしょに歩いていき、そして光の中に消えていった。里奈はその様子をじっと見ている。
「あのぬいぐるみ、狸だったのか?」
里奈は目を覚ました。ここは自分の部屋だ。どうやら、夢を見ていたようだ。
「夢か・・・。あれっ、ぬいぐるみがない! ひょっとして、本当に夢だった?」
里奈は起きて、辺りを見渡した。すると、あのウサギのぬいぐるみがない。やはり、あのぬいぐるみは狸が変身した物だったようだ。親の元に帰れてよかった。だけど、うさぎのぬいぐるみの姿で、もっと一緒にいてほしかったな。だけど、帰るべき場所があって、そこに帰らなければならなかったんだな。元の場所に帰れてよかったなと感じた。
と、里奈はあるものを見つけた。それは狐のぬいぐるみだ。どういう事だろうか? 昨日はそのぬいぐるみがなかった。誰かが置いたんだろうか?
「ん? このぬいぐるみは? 買った覚えないし、拾った覚えもない・・・」
と、里奈は思った。今さっきの狸の親からのプレゼントだろうか? うさぎのぬいぐるみに変身していた狸を拾ってくれた事に対するお礼だろうか?
「まさか・・・、狸のプレゼント?」
「拾ってくれて、ありがとう・・・」
突然、誰かの声がした。誰だろう。母の声ではない。里奈は首をかしげた。
「だ、誰?」
里奈は感じた。ひょっとして、あの狸の親だろうか? 親がお礼を言っているんだろうか?
「まさか、お母さん狸?」
里奈は振り向いた。だが、そこには誰もいない。狸の親もいない。だけど、見えない場所から感謝しているんだろう。そう思うと、里奈はほっとした。親の元に帰れてよかったね。




