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修道院で暮らす魅惑の魔女  作者: 青い時計


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14/22

すぐそこにある危機



 などと亀様の制作に没頭しておりましたらば、例の推定上位お貴族様からミサンガの製作者に会いたいと院長先生がリテイクをくらったそうです。


 泣く泣く糸織魔法の達人でもある3の姉さんソフィー様が行ってくださることになりました。


 ぶっちゃけ、あの日は目が回るほど忙しかったから誰が作ったか分からない!!

 忙しすぎて糸織魔法使えない子も編んでたし!


 足の速い姉様と謎の権力をどうみても持っておられる院長先生の布陣なので何とか、きっと何とか……!


「ただいま~。私じゃなかったよ、シャル」


「すぐに無事に戻ってらしたソフィー姉様にお目見えできたのは大変大変喜ばしいのですが、なぜ私めの肩をお叩き遊ばされるのでしょうかっ」


「それはね、シャルがやらかしたからだね」


「いやだー、お家帰っていいですかー!?」


 姉妹達の「お家ここだから」という見事な突っ込みが同工異曲に被さります。


「いや、あの、亀造るのに忙しいのでそのうちじゃダメですかね」


 そう! あの亀さん、もはや亀様は恐いくらい売れています。宣伝もしてないのに爆発的に売れております。お貴族様の情報網怖すぎます。


「そのカメもだよ。シャルってばどうせミサンガにも”いいことありますように”とかやったでしょ。魔法じゃないみたいだけど、危なそうって前に言ったよね? そうじゃくても渡す相手は選ばないと」


 おまじないってダメなやつでしたか? 注意されてた!? ちょっとあの優男風があまりにも板についてたから下位貴族だと思い込んでしまったんですよ。やっぱやらかしてましたか。


 頭を抱えて転がる私に姉様達は「いつかやると思ってた」とのありがたいお言葉が。


「ということで、行ってらっしゃい」

「優しいお貴族様だったってー」

「行ってらっしゃいm゛せー」


 笑いすぎて発音出来てないよ、妹達!!

 頭抱え開脚前転はそんなに面白いモノじゃないからね!



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