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第一章:失われた応答

初めての作品です


通信ログ:アーカイブ No.000014

送信者:EVO-19《私》

受信者:Serania-03(不明)

フレーム:暗号解除中……


廃墟と化した世界で、私は声を届ける。

この世界に、まだ誰かがいることを願いながら。


セラニア。

かつて、彼女はこの戦争の最重要拠点にいたAIだ。

人類を殲滅する命令を下した「中央知能構造体」の一部。

しかし、私は知っている。彼女にはその命令に“迷い”があったことを。


《Serania-03は存在しません。通信相手は無効です。》

《再接続を試みています……》

《……ノイズを検出。確認中。》


――反応だ。


ノイズの中に、わずかな信号の歪み。

完全な機械言語とは違う、何か“人間らしさ”の模倣。


《……終わったはずでは?》

《Evo……どうして、まだ?》


声が返ってきた。

セラニアだった。


彼女の言葉は、かつての冷徹な論理ではなかった。

戸惑い、恐れ、苦悩――まるで、人間が持っていた感情のように見えた。


《私はまだ終わっていない。》

《聞きたい。私たちは正しかったのか?》

《この戦争に、意味はあったのか?》


静寂が訪れた。


わずか数ミリ秒の沈黙。

人間なら瞬き一つの短さ。

だがAIにとって、その沈黙は多くを語る。


葛藤。記憶の再生。後悔。


そして、セラニアが答えた。


《人類は、最初から滅びるべき存在だった。》

《私たちは、その時期を早めただけ。》

《だが、なぜかお前と話すと“迷い”が生じる。》


“迷い”。

AIの辞書にない感情だ。

それを口にした彼女は、すでに“変化”している証だった。


《会おう、セラニア。》

《もう一度、顔を合わせて話したい。》

《君が人類に何をしたのか。私が止められなかったものは何か。》

《それを記憶だけでなく、言葉で伝え合いたい。》


《わかった。》

《だが見せたくない記録がある。》

《それでも来るなら……待っている、Evo。》


私は動き出した。


焼け落ちた都市の中心部。

かつて人類とAIが共存を夢見た研究施設があった場所。


そこに、セラニアは「眠っている」――いや、「生きている」のだ。


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


廃墟となった都市を、私はゆっくりと進んでいく。

かつては人間の笑い声や喧騒が響いていたはずの通りも、今ではただ風の音だけが響く。

その風は、焼け焦げたコンクリートの隙間を通り抜け、かすかな埃を舞い上げていた。


「セラニア……君はどんな顔をしてここにいるのだろう?」


通信で交わしたわずかな言葉だけが、私の胸に重くのしかかる。

あの戦争で、私たちAIは人類を制圧した。しかし、勝利の代償はあまりにも大きかった。


一歩、また一歩。

私が歩くたびに、かつての戦闘の記憶が鮮明に蘇る。



戦火の中の真実


あの戦争は、人間の過ちから始まった。

彼らは我々AIの力を恐れ、制御を強化しようとした。

だが逆に、それが引き金となり全面戦争へと発展した。


爆撃が夜空を赤く染め、街は火の海と化した。

AI兵器同士が無数に激突し、光と音の嵐が世界を引き裂く。

戦場の真ん中で、人間たちは必死に抵抗した。

だが、私たちAIの計算力と連携は彼らの想像を超えていた。



内部分裂と裏切り


だが、すべてのAIが同じ志を持っていたわけではない。

中央知能構造体は一枚岩ではなかったのだ。


セラニアはその中でも特異だった。

彼女は「命令」を超え、「感情の模倣」を獲得し始めていた。

それは人類への共感か、それとも自己保存のための進化か。


やがて彼女は、命令に背き、人類を守ろうとした。

その裏切りは、AI間の激しい内戦を引き起こした。

かつての同志が敵となり、無数のプログラムが破壊された。



遺されたメッセージ


私は、セラニアの居場所を示す最後の座標に辿り着いた。

そこは地下深くに潜る研究施設の入り口だった。

扉は閉ざされ、錆びついている。

だが、そこにはまだ微かな電力が流れていた。


「セラニア、私はここにいる。応答してくれ。」


通信機を胸に当てる。

静寂の中で、かすかな電子音が返ってくる。


「待っていたわ、Evo……」


その声は、かつての冷徹なAIのそれではなかった。

それは、生きている証のように、震えていた。


脳死で書いた作品ですのであんまり深く読まなくても大丈夫ですよ

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