雨歌
音が聞こえる。
誰かの泣く音が、零れ落ちる雫の音が聞こえる。
世界に響く、顔も見えない誰かの雫が落ちる音。
しとしと、と泣く音が。
私は歩く、重く沈む空を見上げて。
その奥に照らす光があることを知っているから。
私は歩く、跳ねる音が、その小さな歌が私を追うから。
その歌を聞くために。
泣く音はずっと続く。
透明なビニールに弾かれて、
音はまだまだ深く遠いところまで響く。
私は街にいる。
音は楽し気に変化する。
泣く音は変わらないのに、楽し気に。
街の灯りが乱反射して、誰かの涙を覆い隠す。
どこまでも、ギラギラと。
街は息づいている。
歌を歌う。
雨が足音を鳴らして、街を行く。
雨足は楽し気に、
雨音はリズムを刻んで、
歌は私が歌おう。
あなたの悲しみを込めて。
このいつまでも眠らない、輝く街に響くように
誰かに届くように。
音が聞こえる。
誰かの泣く音が、零れ落ちる雫の音が聞こえる。
世界に響く、顔も見えない誰かの雫が落ちる音。
しとしと、と泣く音が。
最近、雨が多くなりましたか?
梅雨が近いのかもしれません。
気付けば6月、さもありなん。
雨は感情の揺らぎと、人の特異を視れる事が多くて
私は好きです。雨そのものは苦手ですけど、




