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一日一詩  作者: 時ノ宮怜
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昼餉

 大きな、とても私とは比べることもできない

 ただ大きな

 生命の息吹を感じさせる

 地に根差し、吸い上げる様が拍動のように揺れ

 何物にも負けない揺るがぬ木


 私はその元でただ眺める。

 何もせず

 ただ見る

 感情が心の揺れ動きだと言うのなら、

 私がそこで見たモノに、なんら感情はなかった。

 ただ凪いでいた。


 大きな木の元で、見上げる

 空をただ見つめていた

 大きく、大きく盛り上がり

 膨れ上がる、夏の代名詞たる雲

 この私と比べられない木よりも雄大に

 青く澄み渡り、怖いほどの蒼穹に雲は浮かんでいた


 じりじりと日差しは私を焼き、

 木が守り、

 雲が流れて

 空は晴れていた


 大きな大きな時の流れ

 私はそれに身を任せることに何ら感情はなかった。

 ああ、流れゆくと

 ただ、流れていくと

 ただそれだけを思っていた


 さぁ、そろそろ行かなきゃ

 いつまでも、なんていられない

 私は私の命を息しなければいけないから、

 私は木ではないからここに居るだけでは息吹けない


 さて、お昼はなにを食べよう

暑い空の下、何を食べようかと考える時間

辛くて、もう何でもいいやと思いつつ

さっぱりしたものを食べたいと思う

なぜ、最初からそう思えないのか不思議です

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