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一日一詩  作者: 時ノ宮怜
63/87

非在

 かつて語られた

 語られ、語り継がれ

 語り伝わった

 そんな伝説となり、

 やがて口伝となり、

 ついにはひっそりと

 記されるだけとなった


 それでも、私はあなたたちを愛おしく思う

 いつからだろう

 あなたたちを見つけたのは

 あなたたちが目に留まるようになったのは


 それまで変化の乏しい毎日だったのが

 あなたたちに随分と輝きを見してもらった

 だからわたしはあなたたちを愛おしく思う

 たとえ、忘れられようと

 この存在を否定されようとも


 かつてありしと一度でも語られたのなら

 私はちゃんとあなたたちを見守り繋ぐだろう


 私がいなきゃ簡単にもろく消えてしまうのに

 それでも私を忘れて、そして求める


 そんな愚かなあなたたちを愛おしく思う


 私は偉大ではなく、

 私は強大ではなく、

 私は不変ではなく

 私は普遍ではない

 しかし、私はいつもあなたたちを見守り

 そうして守っていこう


 だから、たまには思い出して

 そうして大事にして

 私を

 私の名を

「絆」を

目に見えぬ繋がりが

しかし、人として生きるのに必要なのです

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