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操糸
この体に肉はなく、
この体に骨はなく、
この体には熱がなかった
幕の内では力なく眠りにつき
幕が上がれば命が吹き込まれる
そこにあるのは、たった一瞬の輝き
糸と台本に従う私の、唯一の舞台
光が差し込む
強い輝きに目を細める
今、私は光の中にいる
少しだけ残念なのは、光に眩んだ私の目は
何も写さない
それでも私は命を賭けよう
これが、糸に動かされているのだとしても
台本に描かれているのだとしても
私の舞台がここにあるのだから
そうして幕は下りた
私に命を与えていた糸は消え
台本は終わりを告げ
私は暗闇の中に取り残される
私は弱い
私は脆い
私は儚く、一人では何もできない
でも、輝きの中に居たいのだ
私という演目を皆に見てもらいたい
私を操る糸もきっとそう
私を通して輝きの中に居たいと願っている
糸で結ばれた私たちはお互いをよく知っているから
相思相愛の私たちは
操糸双愛の関係なのだから
行動に意思がなくても
人間には意思がある




