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一日一詩  作者: 時ノ宮怜
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端譚

 いつだってそう

 いつもそう

 僕が見落とすのはそう言う物ばかり

 そして、そうやって見落とす物ばかりが大切なんだった


 道を歩く

 それは決して楽な道のりではなかったけれど

 決して茨に満ちた道ではなかった

 決して平坦ではなく、

 決して劇的でもなく、

 路肩の石も

 億万の宝石も

 等しく、転がるような

 そう言う道だった


 ただ、そこを歩くとき

 僕は足元を見ていた。

 前を見ていた。

 今まで歩んできた足跡を見ていた。


 だから、道の端に咲く花を見落とした

 それがどんな形だったか、

 どんな色だったか、

 アレはどんな香りだったのだろうか

 アレはどんな季節に咲くものだったのだろうか

 僕は何も知らぬままに、ここまでやってきた


 僕はただ、その未来を知りたくて歩んできた

 僕はただ、その過去を報いたくて歩んできた

 だから、僕は今を知ろうとしなかった


 そこには確かに沢山の物語が溢れていたはずなのに

 僕はその何もかもを知らずに、ここまで来た


 僕はそこにあったのだろう話を知らなきゃいけないのだろう。

 道の端に語られるような譚を

寄り道大いに結構

道の端にこそ彩がある

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