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一日一詩  作者: 時ノ宮怜
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空飢

 軽い

 何か軽い気がする

 何かが足りていないと訴える

 何もかもが足りてないと訴える


 目の前がぐるぐる回る

 なんだか思考が定まらない

 今スグ何かで満たしたい

 空の器

 ああ、あんなに美味しそうなのに


 手に届かない

 手に出来ない

 この喉はもう飲み干したいと、

 ごくごくと空気を呑んでいるのに


 どうしたって満たされない

 こうやって見ているだけじゃ満たされない


 テーブルにつくことすら億劫で

 カトラリーを手にすることすらもどかしく

 ああ、のどが鳴る

 空の器がよこせと唸る

 目はもう何も写す事なんてせずに

 思考はもう塗りつぶされてしまう


 手を伸ばす

 届かないと分かっているから

 届いてしまえば止まらないと分かるから

 もっともっとと

 我慢も大事と知っているから

 スパイスは大事だから


 速く早く

 だめだ、どうしよう

 もう、

 おあずけはおしましだ


 ああ、そうだこの匂いだ

 食べていると満たしていると

 生を感じる


 こうやってもてあそび

 こうやってむさぼるんだ


 ああ、生を生のまま満たしてくれる

 そうやって、そうやって

 この空気を呑んで

 この空気を壊して

 この空気を満たして

 この空飢を忘れて

腹が減った

何を食べよう

この飽食の時代に

でも、食べ過ぎにはご用心

人でいたいなら

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