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堕睡
重い瞼閉じて
重い身体を投げ捨てて
泥のように溶けて
汚濁のように混ざり合うの
冷蔵庫のなかで、ゆっくりと焼かれて
そうやって腐っていくの
溶けても重い鉛は熱を帯びて
赤くなった身体はそのまま流れ落ちて
意識なんてなくて
動かない身体が流れて
落ちて
堕ちて
パーティの始まり
豪勢な料理を手づかみで食べる
宝石みたいなワインを、ガソリンみたいに飲み干す
キラキラシャンデリアを砕いて、反射する光に沸いて
オーケストラでかき鳴らして不協和音に酔う
タキシードで殴り合い
ドレスで掴み合い
誰もが笑いながら楽しんでいた
鐘が鳴る
魔法が解ける時間だ
なんてシケた音だ
まだまだパーティは終わらない。
家畜飼料を貪って
毒を煽って
蝋燭を蹴飛ばし
歪んだバケツを叩いて
古着を血で染め
下着姿で表へ叩き出す
笑え笑え
ゲタゲタ笑え
ここは何をしてもいい堕夢の国
入国制限無し、誰でも受け入れる肥溜めの国
命が惜しけりゃ帰って起きるんだ
瞼を開ければそこは
爆睡かまして投稿を怠るクリエイターのクズ




