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一日一詩  作者: 時ノ宮怜
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残象

 懐かしい夏の音

 嫌になるほどに覚えている空の匂い

 忘れることなんてできない風鈴の色

 僕はまだここに囚われてる


 何も変わらない少し草の生い茂る道

 流れる川の水すらも何も変わらない

 そんな風に感じるのは僕が変わっていないからか

 それとも、隣を歩く君の姿があまりにも変わらないからか


 他愛のない話をする

 そんな時間すらあの頃と変わらない

 僕と君の二人で、この暑い空の下並んで話した


 僕の家で一緒に麦茶を飲んで、

 君の家で一緒にアイスを食べて、

 森の中で一緒に駆け回って、

 川のほとりで一緒に笑い合った


 僕たちはいつも一緒にいた

 ずっと一緒だと思っていた



 何年ぶりかに帰ってきた

 何も変わらないその姿に僕は驚いた

 そんな僕をみて君は笑った

 そんな何も変わらない笑みに僕はつられて笑った


 少しだけ成長した僕らは、

 少しだけ変わったいつもと変わらないをした


 僕の家で一緒にお酒を飲んだ

 君の家で一緒に煙を浴びた

 森の中で涼んで

 川のほとりで一休み


 僕たちはいつも一緒だった

 だからこうして今一緒にいる


 でも、いつまでも一緒にはいられない

 僕は君と話しに来たんだ

 僕の話を聞いてもらいに来たんだ


 石の下に眠る君に土産話をしに

ちゃんと大事な人へは話をしに行った方がいい

それは、誰のためでもなく

自分のために

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