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一日一詩  作者: 時ノ宮怜
24/87

劇注

 ずっと見ていた

 その素晴らしい劇を

 あなたが演じる

 「人生」の演目を

 あなたが被り続けた

 あなたの仮面を

 忘れないカーテンコールを


 出会った時から、あなたはずっと何も見ていなかった

 見えている振りをしていた

 見えない何かを見えているようにしていた

 誰も気が付かない

 あまりにも自然に過ごすあなたに、

 私たちの誰もが、そこにあると錯覚していたから


 演目は始まる

 あなたが主役のあなたの劇が、

 私語は厳禁、

 撮影は禁止、

 ただ、舞台に意識を集中して

 あなたの演じる「人生」を見守る


 ずっと独りで演じている

 あなたの劇はエキストラもいない

 なのに、話は進む。

 あなた以外の何かを要因に


 そうして物語はクライマックスへ

 拍手の準備は出来た


 時間が流れて、私たちも演じ始めた

 見えている振りを始めた

 見えない何かがあることを知ってしまった

 誰も気づいている

 あまりにも自然に過ごす私たち、

 私たちの誰もが、そこにあると錯覚していたいから


 最後の演目へ

 あなたが主役のあなたの劇が、

 かたずを飲んで、

 この目に焼付け、

 ただ、舞台に意識が集中して

 あなたの演じる「最後」を見守る


 ずっと独りで演じていた

 人生の劇はエキストラも主役

 だから、話は進む。

 あなた以外の何かに引かれて


 そうして物語はクライマックスへ

 拍手の前に涙が流れた


 ずっと見ていた

 その素晴らしい劇を

 あなたが演じる

 「人生」の演目を

 あなたが被り続けた

 あなたの仮面を

 忘れないカーテンコールを

 あなたを引き戻すための

 カーテンコールを

この生を上手く過ごしている人

凄いなって思います。

器用に生きることが出来ない人にとって、

それは焦がれるほどの生だと思います。

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