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夜陽
少しだけ悪い事がしたくなった。
私は悪い子。
いい子を止めて見たくなった。
私は悪い子。
だから行くの、この眠らない街に
偽りの陽が燦然と輝く街に。
ドレスコードは知らない。
そんなものはない事しか知らない。
だから、思いっきり傾いていこう。
勇気を出して、肌を出して、私らしく、傾いて。
少女は街を、夜は人を、大人は悪を
そうして回っているUnderworld
私には初めての世界。
悪い事がそこら中に宝石のように輝いていた。
酩酊
陽気に笑う人たちが、悪い顔のまま笑う。
欲望
輝かしい子が人を集めて、金子を受け取る。
背徳
この偽りの陽の下であって、なおも影ある場所で蠢く何者か。
ああ、ここが眠らない街。
私が欲した悪い場所。
あなたが見ていた景色。
私が愛した人のいる場所。
夜の街の抗い難い魅力は何なんでしょうか
私にとってはそれは破滅への道に見えるのに、
一種の破滅願望とでも言うのでしょうか
確かにあの世界は、魅力が詰まっているのです。




