表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
夢の中の誘拐事件  作者: 灰色坊や
第2章∶蘇りの代償
49/73

【27話】終局へ

「今夜で最後……か」


 藤井ふじいはカフェオレの缶を放った。缶は綺麗な放物線を描いて、ゴミ箱にゴールイン。直後、キーンコーン……と学校のチャイムが鳴った。五時間目の予鈴だ。


見郷みごうさん、あれから来ないな。入院してるのか?」


「分からないよ……。僕、あれから会ってないし……」


 鵜飼うかいはゴミ箱にカフェオレの缶を捨てた。


「会えるはずもないよ……」


「……そうか……」


 藤井は極めて小さな声で言った。


神崎かんざきチカとはどうなんだ?」


「そういえば神崎とも会ってないよ……。連絡先も知らないし……。これが最後だっていうのに、どうしたのかな……」


 鵜飼は右手人差し指に巻かれた黒いテープに目をやった。

 そのテープこそ、全てが始まった証だ。始まっていなければ、失うものこそ無かったが、得られるものも無かった。


「もう、後戻りはできないよ……」


 鵜飼は右手をギュッと握った。


「鵜飼……」


 藤井は鵜飼の真正面に立ち、目と目をしっかりと合わせた。


「何が正しいのか、俺にはまだ分からない。だが、これだけは言っておく」


 藤井は、一旦間を空けた。


「勝てよ」


「……うん」


 鵜飼は目を瞑り、ゆっくりと頷いた。




          【第2章 終わり】

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ