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169話 VSリシテア・その1

「コロシテヤルっっっ!!!!!」


 獣のようにリシテアが吠えて、前に……


「うるせえっ、俺が先にぶっ殺してやるよ!!!」


 ほぼ同時にセラフィーが動いた。


 今回、彼女の武装は巨大なバトルアクスだ。

 強烈な加速。

 同時に、半円を描くようにしつつ、叩きつけるような一撃を繰り出す。


 斬るというよりは、叩き潰すという一撃だ。


 防ぐことは不可能。

 タイミングを見て、回避も遅い。


 リシテアは、どうすることもできずセラフィーの一撃を受けて……


「これくらいなによ」

「なっ!?」


 リシテアは、片手でセラフィーのバトルアクスを受け止めてみせた。


 衝撃で足元がずんと軽く沈む。

 ただ、それだけ。


 本人にダメージが通っている様子はなくて、平然とした顔だ。


「てめえ……おとなしくぶっ潰れておけやぁ!!!」


 怒りに吠えるセラフィーは、バトルアクスを独楽のように回転させた。

 遠心力を乗せた一撃。


 しかし、それもリシテアは平然と受け止めてしまう。


「さっきからうるさいのよ、あんたっ」


 カウンターの蹴撃。


 それは拙いものだ。

 技術が乗せられておらず、ただ力任せに放っただけ。


 そのようなもの、普通ならセラフィーに通用しない。


 ……しかし、普通ではなかった。


「がっ……!?」


 セラフィーは、片手でリシテアの蹴撃を受けようとした。

 そこからカウンターに転じて、叩きのめす算段だったのだろう。


 しかし、ここで計算違いが起きる。


 リシテアの攻撃を受け止めきれず、セラフィーが吹き飛ばされてしまう。

 十メートルくらいを飛ばされてしまい……

 木の幹に激突して、ようやく止まる。


「彼女のフォローを! ヒカリ!」

「はいっす!」


 騎士に命令を出した後、俺とヒカリで突撃した。


 さらに、その後ろにリセが続く。


 数の差で押し切り……

 さらに、時間差の攻撃。

 これに耐えられる者は、熟練の戦士でもそうそういないはずなのだけど……


「なによ、そのお遊びは」

「なっ……」


 リシテアは、全て防いでみせた。

 それだけではなくて、カウンターもセット。


 俺はかろうじて避けたものの、ヒカリとリセが吹き飛ばされてしまう。


 ただ、直撃の寸前、自分から後ろに飛んだらしく、ダメージは最小限だ。

 すぐに立ち上がる。


「くううう……油断したっす」

「自分は、そんなつもりはなかったのですが……彼女は、とんでもありませんね」


 無傷とはいかないらしく、ヒカリとリセは表情を歪めていた。

 まだ戦えるだろうけど、無理は禁物だ。

 騎士に合図をして、二人の手当をしてもらう。


 リシテアの力は思っていた以上だけど……

 でも、まだこちらの方に分がある。


 リシテアは一人。

 こちらは十人以上。

 一部が戦闘を行い、残りが後方支援を担当する、という役割分担ができる。


 最終的に、数の暴力で押し切れるはずだ。

 やや卑怯かもしれないが……

 これは正式な決闘などではない。


 ……ただの殺し合いだ。


「押し切らせてもらうぞ」

「……」


 リシテアは……不敵に笑う。


「アルム……あんた、やっぱりバカなのね」

「なに?」

「あたしは強くなったの。力を手に入れたの。この力があれば、あたしに逆らえる者はいなくなる。あたしは絶対になる。だから……」


 リシテアが吠えた。


「狩られるのはあんた達の方よ!!!」

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[一言] この期に及んで自分が頂点だと思い込めるその精神、これまでの経歴、振る舞い、行い、言動、その果ての末路と現在に至るまでの経緯…。 もはや怒りや呆れも通り越して、ある種の尊敬者です。…当然皮肉で…
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