学園長だけには
「ふざけているのか?魔力が一切感じられん。このままでは即退学もあり得るぞ?アルト!!」
モブ魔法100パーセントはヒトを怒らせたらしい。
「分かりました。それでは本気を出すのでエイナス先生、貴女は出ていってください。」
担任に目をやると不機嫌そうだった。
「いいのか?学園長。」
「、、アルトが本気を出すのなら承諾した。出てってくれ。エイナス君。」
俺はエイナスが出てったのを確認した直後、嫌な思い出が脳裏を過るので使いたくなかったが、学園長を分からせるためには仕方ないと腹をくくった。
「─────常闇。」
《常闇》は闇魔法をベースとした俺のオリジナル魔法。
存在はもちろん俺だけしか知らないため、禁忌魔法には登録されていない。
さらに、禁忌魔法である、重力魔法と闇魔法をオリジナルにブレンドした魔法を繰り出す。
「死門 第一段 天蓋門」
高さ20メートルの巨大な扉が学園長の後ろに聳え立つ。
「ば、、かな、、、」
学園長は驚きの余り、開いた口が塞がらないようだった。
「死門 第二段 殺生門」
ここでようやく状況が飲み込めたのか、学園長が静止を呼び掛ける。
「よ、よせ、、アルト!君の実力は充分分かった、だから、、」
「死門 最終門─────」
今も尚、天蓋門と殺生門の引力にギリギリ耐える学園長は最後の力で叫び出す。
「やめろおぉぉぉぉぉ!!!!」
「絶唱門」
床に突き刺していた剣が折れ、学園長が漆黒の闇の中へ吸い込まれていく。
バタンッと三回程音がなったかと思うと、門は消えていた。
まぁ、このまま学園長を消し去るのもよくない。
元部下に対してちょっとおふざけが過ぎたかな。
禁忌魔法 拒絶
相当な魔力を使い、事象を拒絶した。
フッと、学園長ことネルス・アーバインドが僕の目の前、高さ150センチくらいの高さから落ちてくる。
「うっ!、、、、死んだ、、のか、、、?、、」
俺だってモブとして生きたいと切実に願っている。
でも今の状況を知らなきゃ《普通》になんて生活できるわけがない。
どちらにしろもうちょっと現代の情報が欲しい。
ソーマのことも聞かなきゃいけないしな。
「久しぶりだな。ネルス。俺のこと、覚えているか?」
痛みに耐えながら、ゆっくりと身体を起こすネルスの瞳には俺の顔がハッキリと映る。
「さっきの常闇といい、、、魔神王の、、アルバート、、様?、、、」
ネルスは俺を認知した途端、疲労で倒れてしまった。
拒絶魔法は闇魔法とかに対抗できる、まあまあすごい魔法です。
正直言ってアルバートは魔法に関して天才だったといえるでしょう。