キョウシツ
フフ、フフフ、、、
遂にやってしまうか俺は。
前前世のモブあるあるは大抵教室の隅の席でボォーと座っているものだろう。
そしてヒロイン級の女の子に声をかけられ、、、
恋が始まる─────
だぁがしかぁぁし!!
アニメ業界、ひいては世間は分かってない。いや、見て見ぬふりをしていると言っても過言じゃない。
本物のモブは、、、
教室の前側のドアから距離92センチのところでドアとは反対向きに友人と話しているっっ!!!
と、いうことで。
ベルクを探そう。
、、、あれ?いない。
おかしいな、あのガタイのよさでこの俺が見つけられないはずが━━━━
「探したか?友よ」
フンと鼻息を鳴らし、満足げにベルクは俺の背後に立っていた。
まさかこの俺が誰かに背後をとられる日が来るなんてな。
俺も堕ちたな。
でも今いる位置こそちょうどドアから90センチのところだし。まあいいか。
「なぁ、ベルク、俺らの担任って誰なんだろうな?」
するとベルクは呆れたように溜め息をはく。
「お前マジでなんも話聞いてなかったんだな。いいか、俺らの担任はな。かの有名な━━━━」
ガラララ
少し騒がしい教室にドアを引きずる軽快な音が響き渡る。
「お前ら席につけ。」
群青色の髪を持つ、
目は真面目さを、
顔は誠実さを、
姿勢、態度で気品を物語っている、王国騎士団団長の
エイナス・リボル
俺の元部下の一人だ。
うわぁーお!




