辺境の嵐
受験勉強のせいです。まじでごめんなさい。
ノースラベンド
「転移の魔法陣の移動先を解析しておいて良かったよ。」
「時間かかりすぎだろ、解析するために魔法陣の機能を一時的に停止させるとか........バレてるぞ?」
草原を散策する二人、カミヤ・タダカツ製ホムンクルスのルークとカイトは再会を果たした後に学園長室に転入手続きを申請しようとしたところ、転移魔法特有の魔力を感じたため、ドアの隙間から行き先を解析して一緒に飛べるように同じ転移魔法を展開したのだが、、、
理由もなく勢いで来たのはいいものの、ここがどこだか王国までどれだけ距離があるかもわからない。
不意に鼻にヌメっとした匂いが注入される。
霧だ。闇魔法 霜霰、それも毒があるタイプ。不味いな、、指先が痺れてきた。
「カイト、気をつけて。敵の罠だ、」
「今その罠のド真ん中にいるんだから分かるに決まってるだろ、」
二人は常用魔法の「除去魔法」で口を覆う。
印を作り、片手が使えなくなることを対価に「簡易契約魔法」で魔法の精度を上げ、毒の流入を極力抑える。
二人は刻一刻と濃くなる霧の中を進む。
やがて進んだ先に人影が見えた。
眼を凝らしてよく見ると、どうやら龍人族らしい。頭から特徴的な角が生えているのが分かる。
「この先にある屋敷の使用人をしています、 ルミィ です。失礼ですが冒険者様ですか?」
「屋敷、ねぇ。。。その家主に会えるか?俺ら今この霧に攻撃されてんだよ。せめて罠を止めて欲しいって伝えてぇ。」
ルミィはピクリと手を止めたと思いきやさらに攻撃の手数を増やしていく。
「家主に会わせろ?
侵入者、ということで片付けます。大人しく引き下がれば命はとりません。」
カイトが右手をルミィに向ける。
「こっちは───」
さらに左手を右腕に添えて、れ◯がんのような構えを成してから炎魔法の術式に魔力を流す。
「話がしたいだけだッ!!」
牽制用に撃った魔法は魔力を込めすぎたために想定の3倍の規模で放出されてしまう。
「なんて規模、水系統の魔法なんて私───」
ルミィが目を瞑る。
その怯えた顔を胸で抱きとめ、防御結界を張る元七冠のレイナ。
ルミィを守るレイナが心配で飛び出してきて闇魔法で炎魔法を飲み込む元闇徒のリコ。
「───!?、カイト?、ルーク!!」
「「リコ隊長!!」」
──────
───
「───つまり、こういうことだね?
止めなかったルークにも非はあるが、無鉄砲で身勝手なカイトが大体悪いと。」
「はい。」
ルークは即答する。
「僭越ながら、私も同意見です。」
カイトから攻撃を受けたルミィも賛同する。
「はい、ハーブティー。」
レイナがティーカップをリコに差し出す。
「ありがとう、レイナ」
リコがにこやかに微笑む。
ルーク、更にはリビングで正座させられているカイトまでが驚愕する。
「リコの微笑み」
自我が極端に薄く、碌に感情を表に出さずに表情を変えたことがなかった彼が、である。
「っお、!おい!!カイト!見たか!リコ隊長が、隊長が笑ったぞ!!」
「マジだ!すげぇぇ!!!!」
レイナは若干引き気味でリコに聞く。
「そ、その、昔の貴方の話は聞いたけど、、そこまで感情が薄いとは思ってなくて。その、」
リコは読んでいた本を閉じ、一息つく。
「それじゃ、僕らルーファスモデル・ホムンクルスの話をもう少し詳しく話そうか。」
リコは語り始める───
あと数日後に定期テストあるよん。




