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魔神王アルバート、モブになる  作者: 神谷悠人
学園編
58/62

夕焼けに萎えろ!!

───死の平原 北端───


草原が続く夕陽に照らされた大地、一人のエルフと2匹の使い魔が護衛をしながら駆けていく。


、、、ここは?、死の平原か、、ん?


状況を確認しようと探索系統の魔法を使用したら、どうやら俺はエイナスに抱えられながら死の平原を移動中らしい。


夕陽も綺麗なことだし、ここは一度、、、


「あーーー!ああーあーー!!あ↓あ↑あ↑↑あ↓あ→あーーー!!」


ビクッとエイナスの肩が跳ねる。


驚かせてしまったようだ。

アリスとタルタロスは慣れすぎて呆れ顔だ。


「抱えられている状態ですまないが、俺が前いた世界での出身国の伝統でな。夕陽を見たらこれを歌うんだ。ぶっちゃけ歌詞が何を言って、何を意味しているか未だに理解できていない。此方の世界にあわせて言うならば、王獅子(キングライオン)の子供が叔父に父を殺されてからその叔父を紆余曲折あり、賢牢鬣犬(ブロッキングハイエナ)に喰わせる、、、そういう話だ。」


「うわ、悪趣味、、」


咄嗟に呟いたのはタルタロス。

省略したからヤバいアニメみたいになってるけど感動できてざまぁ系だぞ?時代を先取りしてたんだぞ?たぶん


「それより俺はどんな状態だったんだ?倒れていたのか?いまいち記憶が曖昧で...」


「生徒達が各々の古代魔法を開発し終えて野外授業も終盤に差し掛かった時、ベルク・ボストンが息を切らしながらこちらへ駆けてきて、アルト様が拐われたと教えてくださいました。彼の案内に従って現場に向かうと、魔力切れで倒れる貴方と静かに岩に腰かけるパーフェクトゴーレムがいました。。。一体何があったのですか?」


んー、、、シノビ連合のことは伝えるべきかな、、推測にすぎないけどアレは裏社会では有名な組織ではないだろうか?

そうなると知る人がいる分、命を狙われる可能性が高くなる。無闇に他人に喋るべきではないのかもしれないな。


「名前は名乗らなかったが、変な組織に影魔法で強制移動させられてね。移動時に遮音結界も張られたからみんなに気づかれなかったってわけ。」


「なるほど、、、つまりは相当な実力者揃いということですね?」


質問をしてきたのはアリス。

両手から無理に片手に変え、俺を抱えながらエイナスがもう片方の手でアリスを撫でる。

最早エイナスはアリスが何をしても撫でるナデナデマシーンになってしまったのだ。


「あぁ、俺が対敵した奴らはギルドランクで言うと、B~Aランクの奴らだったが、それでも幹部には程遠い位置にいると言っていた。あの組織は気をつけたほうがいい。」


バラモンズ学園 学生寮付近


エイナスに運んできてもらい、魔力切れで頭が割れそうな痛みに襲われながらなんとか学生寮の前までたどり着く。


1つの人影が立っていた。

アリーゼ レングラス

マイエンジェルが夕陽を眺めて俺の帰りを───


「アルト君!!」


パタパタと駆け寄ってきたアリーゼは少し涙目で、


「心配したんだよ!急に授業中に居なくなったって!」


「ごめんね、心配かけちゃって........」


するとアリーゼは目を閉じ、顔を少し上に傾ける。


こ、これは!!


前世のアリーゼもやっていた、所謂、、、


キ、キスが


「ば、罰だよ!お、お、王家であるこの私を待たせたんだよ!と、当然の事なんだから!!」


俺は喜んで準備に入る。

アリーゼの頬に両手を添えて、逃げられないように.....


「少しだけだから、」


アリーゼの顔がリンゴより赤くなっているのがとても可愛い。

さて、


chu


ドクンッ!!!?!!!?!!!!?!?


最初は何が起こったか分からなかった。

突如口から口へ移される超高密度の魔力。

それでもアリーゼという器から際限なく溢れでた魔力が空気を犯す。


アリーゼは笑っていた。


「ククククク、、クハッ、、小僧、妾の封印を解いてくれた礼じゃ───」


彼女は左手の甲をこちらに向け、指で空を引っ掻き、一言


「殺す!」


ブワッ!!


もう充分なほどに魔素で満たされた空気にさらに魔力が広がる。

足元には強制転移の立体魔術が浮かび上がり、目の前の全てが輪郭を失う。


「神域解放 天ノ戒壇」


黒い薄氷が球を描き天を閉ざす。

地を嗤い宙を弄ぶ彼女はまるで───


「神…………」



魔力がさらにうねりを増して暗闇を飲み込み、聖なる光を携え、闇を祓う。


「神域 神の権能 第二廻啼だいにかいてい 流死権化るしごんげ


暗い空間が晴れたかと思うと、今度は白一色で重ね塗りされた何もない空間が姿を表す。


「妾は 《魔力の祖》 魔女 アリーゼ。 小手調べといこうかの、小僧!!」


神のみが達するとされる《神速》に俺の身体はついていけず、魔女 アリーゼによる強烈な右ストレートによって胴体に大きな風穴が開く。


「ガッハッ........」


正直頭が追い付かない。

前世の妻の名を引き継ぐ今カノが神で魔女でした?、、、情報がいつまでも完結しない、、結界をバスケットボールにしたい気分だ。


「こっちもやられてばっかじゃいられないんだよな、、治癒魔法 完全治癒!」


先程のアツアツのキッスでオーバーキルレベルで回復した魔力で風穴を塞ぐ。


「こっからだ!魔女!」



魔女 アリーゼ


お察しの通り、ルーファス開発経緯ちょっと前辺りで出てきましたね。


補足説明すると、神域とは文字通り、神の心象領域で、天ノ戒壇(あまのかいだん)は天の川をイメージしていますが、《魔力の祖》、ですから、魔素が濁りに濁って真っ暗、、というわけです。


あと、今さらですがルークは 父さぁん!! ではなく 嘘だぁぁ の方が有名でしたね。ごめんなさい。(めっちゃ前の後書き今さら気にしてる)

あとリコの認識番号を書き間違えてしまったので書き直しておきました。


........べ、別にバッ○バッチ 意識してないし!してないんだからね!


プロトタイプって言葉には惹かれるよね。うん。

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