受け継がれる意志、迫り来る闇
さて。タイトルに、関してはガチです。
今日のセリフの可笑しいところとかは特大伏線かも。
バラモンズ学園所有地 死の平原
「よぉし!お前らちゃんと呼び出せたようだな。魔力も枯渇してるだろう?今から昼食にしよう!」
ザニーの軽快な声が魔力切れ寸前の皆の顔を明るくする。
そして皆がザニーの周りに集まり出した後、
「あー、そうだ。皆に慣れてもらう為にも俺の使い魔を呼んでいる。
『使い魔召喚 アリス タルタロス』
」
そして事前に打ち合わせた通りに、昼食をいれた箱をアリスが、飲み物を入れた箱をタルタロスがもって魔法陣の中から現れる。
周囲から歓声が沸き上がり、ルークが感嘆の声を漏らす。
「すごい!、先生!それは超上級使い魔ですか!?」
ザニーはフッとカッコつけてから
「あぁ。上級までは意志の疎通が難しいが、超上級は魔人、魔族、天使、精霊などが多いからな。」
ザニーは二人の使い魔の方を向き、
「アリス、タルタロス、自己紹介しなさい。」
アリスはいつも通り、タルタロスはムスッとした表情で挨拶する。
「有翼族 天使族のアリスです。」
丁寧なお辞儀
「悪魔族 上位魔族のタルタロスです、アリスに変な目を向けたらコロス」
「はいそこ、口が悪いですよ~」
注意したのはネルス。
ザニーが教鞭なんて!!と言い、ついてきてしまったのだ。
因みに仕事はデリア任せ。
「あー、すみません。使い魔ですからニンゲンの常識分からなくて。あ、でも寂しそうな女性の前で別の女を抱き締めるっていう常識は知ってますよ?」
すると宣言通りにアリスを抱き寄せるタルタロス。
タルタロス、そしてなぜかアリスまでもが得意気になってネルスの顔を見上げる。
俺たちは何を見せられてるんだ?
「はい、いちゃつかなーい。」
ネルスの背後からヌッと現れたザニーが彼女の左肩を右手で掴み、回すように引っ張る。
結果、ネルスの顔はザニーの屈強な胸板に押しあてられ、なんとも言えないちょっといいようななんかそんな感じになる。
繰り返す。俺たちは何を見せられているんだ?
ベルクは恥ずかしそうにそっぽ向きながら、左手で前髪をくねらせ、右手で耳を抑えている。
アベルは頬を少し赤らめながら見入る。
後ろのエルレンに気づかないまま。
ルークは呆気にとられて、さっきから表情が変わっていない
今多分彼が「ばなな」と発しても誰も不自然たど思わないくらいに。
「同じ上位魔族でもまだまだガキだな、お前は。」
「大人の色気だけでは落とせない者もいるって知ってます?」
二人の間に稲妻が激しく唸る。
もう一回言うようで悪いが、俺たちは一体何を見せられているんだ?
「やめないか!二人とも!」
突然エイナスの声がしたかと思うと各々の頭に
ザニーには木刀が、ネルスには手刀が、タルタロスにはかなり軽めの平手が、アリスにはナデナデが舞い降りる。
ちょっと待ったなんだ?ナデナデって。
「まったくお前らは。。はい、アリスちゃんとタルタロス君は弁当と飲み物配ってきて。ザニー、ネルス。説教。」
「はい、」
「私はまきこまれ、、、はい。」
やや諦め顔のネルスに構わずアリスとタルタロスで昼食を配っていく。
「はい、どうぞ、昼食です。」
「あ、ありが、とう。」
アリスから弁当を配られた男子生徒は魅入る。
モフモフ純白の翼
風に靡き輝く金髪
端正な顔立ち
これで惚れるなという方が無理である。
「?」
アリスは理解していなかった。
自分の容姿の良さを。
それゆえに────
「オホン、」
タルタロスの咳払いが入る。
我に帰った生徒はそのまま弁当を受け取って俯いてしまった。
「行こう、アリス、『彼』が待ってる。」
「あ、うん。待たせちゃうと不味いよね。」
スタスタとアリ・タロ(アリスとタルタロス)が俺の方へ向かってくる。
「お待たせしまし────」
「あぁいや、此処だと目立つしあそこの木陰に行こう。」
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ーーー
少し小高い丘の上に生えている木の根元で、俺達は昼食をとる。
「なんか最近お前らと話してなかったからな。こうしてたまにはゆっくりするのも悪くない。」
なんと言うかアリスとタルタロスは部下というより、
《友達》感が否めないんだよな。
まぁナイター達とちがってそういう関係も悪くないが、、、
「そういえば、ご主人様はどんな使い魔と契約したんですか?やっぱり上位魔族の中でも貴族階級のやつらですか?あーでも、性格悪いやつ多いから、、、やっぱり天使族ですか?」
「いや、天使族の貴族もそっちの貴族に負けず劣らずだよ、、、」
アリスが半笑いで返す。
「あぁ、俺はな──────」
──────一時間前──────
相も変わらず人混みに紛れて、恐らくテレビの画面で写されたときに主人公の周りで姿の殆どが灰色でベタ塗りされているモブ達の中でも最低限の色を塗られているモブの右隅ちょっと奥辺りにいる色を塗られていないはずが、やたらと気になってしまうモブの一人になっている俺。
実習での感情の一時的増幅による魔力暴走を反省し、、、
魔力を込めすぎないように、込めすぎると凄いの出てきて目立つからな。
すこぉぉぉし。
ほんとにすこしだけ。
それにやっぱりモブには中級使い魔の下の下当たりがお似合いかな。
そぉーっと、、慎重に、、、
「召喚魔法 使い魔召喚」
アリ・タロの時のように使い魔のPATH(種族指定)をしていないから何が出てくるやら、、、
「、はぁい(笑)」
出てきたのはピエロ。
それも小さめの。
。。。ん?今喋ったか?こいつ。
まさかここまで来て超上級でした~なんてことはないよな。
「え、えーと、、はぁい?(焦 確 疑)」
「お前、低級使い魔か?」
「はぁい(是)」
そうか、、、低級使い魔でも話しはするが、イエスかノーしか答えられないのか。
ザニーの言ってた《意志疎通の難しさ》はここにあったわけだ。
そうなると、次確認すべきは────
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────
そして現在
「あー、俺の使い魔はこんなのだ。」
俺は即座に空間魔法で、新たな使い魔であるピエロ君を呼び出す。
そもそも使い魔を呼び出すとなると相応の魔力が必要であり、いちいち呼び出す際に魔力を使うことも馬鹿馬鹿しいので、空間魔法で作った亜空間、異世界系の
≪主人公が使うと『規格外だ、、。』と驚かれるランキング第二位≫である
『アイテムボックス』
のようなものだ。
今は特にピエロ君以外あまりものが入っていないが。
タルタロス「へぇ、可愛いですね!」
アリス「うん、可愛いよ!この子!」
「はぁい!(愛)」
「「むぐぅ!?」」
二人同時にピエロ君に抱きつこうとしたせいか顔がぶつかり合う。
「おい、イチャつくのは構わないがしっかり休めよ。午後まであるんだぞこの授業は。」
するとアリスが閃いてしまう。
私天才だ、と呟き、そして────
「タールタロス君ッ!」
「うぉ!?」
アリスがタルタロスを地面に横向きで強引に倒してしまう。
そして彼の胸板と彼女のおっ────胸の間にピエロ君を挟んで、そのまま寝る。
アリスもタルタロスもピエロ君と触れあうことができ、タルタロスとも接触ができて、ついでに寝ることもできる。
これは確かに天才だ。(バカ)
「邪魔者(俺)は皆の方に戻るから。で、呼びたい時に呼ぶからね?ピエロ君は。用が終わったら瞬間転移で戻すし。わかった?」
アリス「はぁい、、むにゃ」
タルタロス「ふぁい、、、」
ピエロ君「はぁい(就寝)」
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「お、戻ったか我が友よ。そろそろ五時限目の授業だ。行くぞ!」
皆が集まっている縁でベルクが俺を呼びつける。
「おう、待たせてすまん。行こう」
、、、なんか引っ掛かるが、、、、まぁいいか。
「よし、それでは五時限目の授業を始める。内容は、先程呼んだ使い魔と『魔力を倍にしてもらう契約』を結ぶことだ。」




