元ナイター
空間魔法で先代魔神王の死蝋を収納し、後は撤退するだけとなったゼリエスタ教。
しかしいつでも事件は起こる。
「───、、、───、、、
あれ?おかしいな、念話が通じない。」
(スキル:念話
魔法使いであれば大抵のものは取得できる初級スキル。)
耳に手を当てて学園に侵入した《暴食》のグレイストンとその他闇徒たちに応援を要請しようとしたジャミトフが異変を感じとる。
「どうやらスキル 念話を妨害できる程の高性能な結界を誰かが張ったみたいだ。
様子見てきてくれる?
新人、、いや
元ナイターのロック・ゴルカット君
」
「承知しました。」
ゼリエスタ教の闇徒は七人。
《厄災》、《輪廻》、《暴食》、《飢餓》、《強欲》、《対価》、《剛力》
ロックはついこの間にカサンドラに殺された闇徒の一人が
《飢餓》の席にいたためにその席を受け継いだのだった。
ーーー
ーー
ロックが学園の庭園まで急いで足を運ぶと、噴水の前で座禅を組んでいるエルフの女が一人寂しく座っていた。
ロック自身もエルフだからか妙に親近感が湧いたが、それは親近感ではなく、
「お前、フレリア教の者か?」
その瞬間、ロックはハッとする。
長い金髪に全てを見通すような碧眼の女エルフ。
元ナイター サリフ・デリク
「あなた、ゼリエスタ教の方についたのね。」
「君こそ、フレリア教にいるじゃないか。」
「「、、、」」
お互いに数秒の時を満喫し、先にロックが口を開く。
「今はお互い敵のようだ。僕はここに結界を張った術師を倒さなきゃいけないんだ。」
「それが私だと言ったら?」
「、、、僕にも任務とメンツっていうものがあってね。結界を張ったのが君だとしても僕は戦わなきゃ。」
サリフはどこか寂しそうな顔で友好的対話を諦める。
「そう、、、なら」
ロックも渋々納得し一言、
「うん、、」
お互いに武器を構え、視線で覚悟を語り合う。
(僕たちは死ぬまで戦い───)
(私たちは死ぬまで戦い───)
ドゴオオオォォォン!!
爆音を轟かせ、二人の鼻先を結んだ丁度中心から垂直に向かった位置にある校舎の屋根から出てきたのは
闇徒の一人《暴食》のグレイストンだった。
「おおい、おいおい、おいおいおい!聞いてねぇぞ!こんなヤバイ奴らがいるなんて!!」
グレイストンの後方にはアリスとタルタロスの姿がある。
「逃がすかッ!」
「逃がしませんよー!!」
次回に続く!
遅くなりました




