支配
ほんとにごめんなさい
遅れました
バラモンズ学園 エイナス担当の教室
「それでは授業を始める。みんな席に着け、今日もアルトとアリーゼは欠席だ。」
「大丈夫かな、、」
「実習の授業からきてない、、よね、、、」
「心配だよね。。。実習で何があったんだろう、、、」
クラスの皆がざわついていたその時、
教室のドアが開き、不安、同情、優越、歓喜、
様々な感情が一気に掻き消されることになる。
「動くなッ!武器を持っている者は武器を捨て、全員大人しくするんだ!」
黒いフードを深く被った男達が5人程教室に入りこんでくる。
「な、何者だ!お前たち!」
(
まさか、、ゼリエスタ教か?
なぜ堂々と校内に入ることができる?
侵入者の警報は鳴ってない、、、
教職員、もしくは生徒の中に裏切り者がいる、
とは考えたくないね。。。
)
「我々はゼリエスタ教の信奉者だ!今からこの学園を占拠させてもらう!」
「ゼリエスタ、、、だと、、!」
(
ゼリエスタ教。。。
アリーゼ様を殺した、、、
だが、探知系の魔法で調べたがやはり数が多い!
こういう時にはアルバート様のお力添えが───
)
トゴォォン!
不意に学園に響き渡る爆発音。
聞こえてきた方角に目をやると、煙を上げて学生寮のある部屋が燃えている。
学園長の思惑で他よりも1.5倍部屋が大きい
アルト テグラスの部屋だ。
まさか、、、アルバート様まで、、、
こうなったら騎士団を呼ぶしか
「おいそこの教師!何してる!」
背中でこそこそ動かしていた左手。
その中にすっぽり収まった通信系魔道具をゼリエスタ教の者に取り上げられる。
(これで外部の者からの救援は絶望的、、、)
「これからお前らは人質だッ!手錠をかけさせてもらう!」
そう言うと信者たちが生徒たちに手錠をかけに行く。
そしてエイナスヘ歩み寄る男の手には生徒の手錠より重厚感のある手錠を持っていた。
「王国騎士団 団長エイナス、貴女は特別にコレだ。」
エイナスに渡されたゴツい手錠。
それは生徒に付けられた
量産型魔道具「魔力抑制手錠」
より遥か上の
魔道具「身体抑制手錠」
であった。
身体抑制手錠は魔力のみならずスキル、筋力、身体機能、精神、ありとあらゆるものを抑制できるSランク魔道具で、装着した者は本人の強さによるが、弱い者は三時間で廃人と化してしまう危険な魔道具。
(なぜ、こいつらがこんなものを、、どこから、、、、、、うっ、、──────)
──────
───
◀◆◆◆◆◆◆◆◆◆▶
バラモンズ学園 地下深く
◀ー▶(邪物封印の間)◀ー▶
万が一の事態に備え、地下とは切り離された絶対異空間、見渡す限り眩むような白と、床に満たされるあらゆる物体、物質を拒絶する《虚水》、そこを歩く二人の闇徒。
「さぁてここで問題です、
我らが崇める神 邪神、基 ゼリエスタ様の復活への
一番の近道はなんでしょ~か?」
テンション高めに新人に絡んでいるのは
邪神教の事実上のボス、
《厄災》のジャミトフ・ロイコ
「…………………そうですね、、やはり供物の捧げる量を現状の倍…………………いや、3倍、いや、5倍かな?、、」
ジャミトフは振り返り様に人差し指をビシっと新人に向ける。
「不正解!供物はあくまで邪神に媚びへつらって《力》を得るための道具でしかないッ!」
真剣に考えても答えが全く浮かばない。
新人の眉間のシワが更に深くなる。
「で、では正解は?」
新人は気づいた。
いや、正確には最初から気づいてはいた。
が、
今から向かうところがそこではない事を少しばかり望んでいた。
圧倒的邪悪、自分はこの世界のほんの一部分にすぎないと再確認できる程に。
目映い光の先に見える死蝋は、死体であってもその存在感を絶え間なく発し続けていた。
「答えはね、肉体だよ。」
「ッ!!、、、、、」
(す、、ごいな、、、こんなものを学園、、王国は管理していたのか、、、、立っているだけで精一杯だ、、、)
「まあ、今回の学園占拠の本命はコレだから。あとはコレ持ち帰って学園から信者を撤退させれば任務完了さ。」
ジャミトフは死蝋に手を翳し、空間魔法で収納する。
3000年前、古代文明全盛期にこの世を破滅と絶望に陥れた最強の先代魔神王 兼 邪神の元肉体
ベラドル・フォン・エルバーナ
遅れましたごめんなさい




