角から出る少女にはぶつからない
どうやら俺は異常なようだ。
なぜって?
こうして今も時速360㎞で走っているのを誰かが見かければ、誰だって異常だと感じるだろう。
よく分からないが、日頃の鍛練で眠っていた俺の魔神王体質が目覚めたようだった。
俺の身体は筋肉の密度がヒトのそれを超越していた。
通常の100倍あるらしい。
もうチートじゃん………。
まぁ、唯一救いだったのは先天性の繊細さかな。
そのお陰で、力んで皿を割るなどという芸当をしなくて済む。
しかしこの速度だとヒトとぶつかった時にそのヒトが塵になる姿が容易に想像できる。
まあ前前世あるあると言えば、角から出てきた少女とぶつかって、、、
その少女は大体パンをくわえているんだがな。
そして ご、ごめんなさい とか どこ見てんのよ!
とか言われて立ち去った挙げ句、その後教室で
あの時の、、、
とか
転校生を紹介します
とかで、再開を果たす。
うん。
ありきたりだ。
ただそれは主人公のイベントであって、モブが果たすべきことではない。
だからこそ、主人公格である勇者のむすこ─────
何かくる!?
ヒトの気配がしたもんだから、反射的に禁忌魔法の広範囲感知魔法を無詠唱で発動してしまったが、警報が鳴ってないってことは恐らく無詠唱は感知されないな。よし。いいこと知ったぞー
そんなことより不味いな。
いくらなんでもフラグ回収が早すぎる。
本当に白髪ロングの女の子が向かってきている。
ここから約600メートル先にいる。確実に
今は秒速100メートル、衝突まで約6秒。。。
魔法で顔は分かっている。
どうやら同じ学校のようだ。
フラグ回収の天才かな?俺は。
もしクラスまで同じだったのなら、俺に思い出したくもない魔神王時代の魔法を使わせたことを後悔するくらいには殴ろう。。。
はぁ、こればっかりは仕方ない。口に出さなければ問題ないだろう。
空間転移魔法 起動
場所は、、えーと、、、基本的に人気のない場所、、、
あった!
バラモンズ学園の家庭科室横の男子トイレの個室!
ヒトはいないな、、、
よし!
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なぜ感知するだけなのに広範囲感知魔法が禁忌魔法かって?
なんでだろうねー(意味深)




