帰宅とランニングと運命と
「じゃあな。ベルク。また明日。」
「おう!またなアルト!」
日が沈みかける夕方、寮の部屋の前でベルクと別れた。
「ただいま~、、、って、」
キッチンの方に行ってみると
アリスが下、タルタロスが上
の状態で、倒れていた。
いや、表現が難しいが
日本のアニメあるある
誤ってヒロインを押し倒してしまう主人公?
みたいな感じ。
予想以上のイチャつきっぷりにちょっと嫉妬する。
「えーと、?これはどういう状況だ?」
俺の問いかけに二人はすごい勢いで釈明。
ア「違うんです、彼は悪くなくて全部私のせいで、」
タ「違うんです、彼女は悪くなくて、俺のせいで、」
ア、タ「「アッ、、、」」
赤面しながら時を止める二人。
「じゃあ、俺邪魔そうなんで寮の大浴場に浸かってくるわ。あと今日は早く寝ろよ。」
ア、タ「「はい。。。」」
ーーー
ーー
深夜
バラモンズ学園
校舎付近
俺は今日からランニングをしようと思う。
なぜかって?
アリスとタルタロスの仲を応援したいと思う反面、
自分に彼女がいないことを情けないと思うようになってしまったからだ。
決して劣等感を抱いてたりしていない。
話を逸らすように戻すと、
ランニングは気分転換に最適だ。
ただ全力で走ると色々と問題があるので筋力は前解放に比べて0.1%にも満たない力で走ろうと思う。
これは同時に繊細さを鍛える良い訓練になる。
今の速度はヒトのジョギングと同じくらいの速さ。
俺は主人公のようにテンポ120ではなく、それより遅いテンポ105くらいの速さで走るのが王道的なモブだと思っている。
本当ならもっと細かくモブりたい場合、息を少し切らしながら、赤いはちまきを巻くのがベストだろう。
でもあいにくそんな余裕はない。
前からヒトが来た。
白髪ロングの、、、
「あっ」
思わず声に出てしまった。
入学式の日、角でぶつかるはずだった少女だ。
こんな運命的なことがあるだろうか。
いやない。
二度も神様がチャンスをくれたんだ。
カップル欲が最高潮に達した俺は敢えてぶつかることを選択。
いざ運命の刻─────
少女「キャっ」
アルト「あ、」
ドタドタ!
俺はこのシチュエーションに備えて練習しておいたモブ魔法の
マジシャンズ・モブ ディスティニーショック
を披露した。
倒れるのに適度な角度54°、
左手をわずかに先に地面に接地させて、右肘、右手、右手の各指の順番で転ぶ。
完璧だっ!!
「大丈夫ですか!?」
心配してきた少女の顔が俺の瞳孔に反射している。
「─────ストライクだ。」
気づけばボソッと言っていた。
「へ?」
少女のキョトンとした顔にまたドキッとする。
「いやぁ、なんでもない。それより怪我はないか?派手にぶつかってしまったが、、、」
「い、いえ、お気になさらずに。。」
気を抜くとジィと見てしまう。
本当にキレイだ。
前前世のあの、、なんだっけ、、、
あ!
結月ゆかりだ!
そう!結月ゆかり似だ。
「あの、、お名前は、、」
「アルト テグラスです。一年生です。」
「一年生ですか?私も一年生で、、、って!テグラスって生徒会長のユリア テグラスさんの!?!?」
あー、そういえば姉さん生徒会長か。
「あぁ、うん。」
彼女はサッと、手を差し出す。
「そうなんですか!私副会長なんです!副会長の
アリーゼ レングラスっていいます!よろしくお願いします!」
アリーゼ?
元妻と同じ名前だな。
。
。
。
。
これも運命と受け入れよう。
「よろしくね、アリーゼ。」
俺は彼女の手を取り、自分の寮にルンルンで帰った。




