帰還、そして平凡へ
「だ、大丈夫ですか?ご主人様!」
すぐに駆け寄ってきたのはアリス。
そのつぎにタルタロスも来た。
「やっぱすごいですね。地獄の番犬相手に傷ひとつないなんて。」
なんだかそういわれると恥ずかしい。
「はは、ありがとう。それより良いのか?アリス。タルタロスはお前のためにすごく頑張ったんだぞ?とくにあの、、、「俺のアリスに近づくなぁ!」とかかっこよかったもんな~」
わざとらしく強調してみた。
するとアリスの顔はゆでダコ見たいに真っ赤に染まってゆき、、、
「え!?、あぁ。。。あの、、、あ、ありがとうタルタロスくん、、」
同じく真っ赤なタルタロス。
「い、いや?た、大したことないよ。う、うん。。」
「あれ?もしかして俺お邪魔かなぁ?」
ア「い、いえけしてそのような」
タ「い、いえけしてそのような」
「お、息ぴったりだねぇ。」
さらに真っ赤になる二人。
楽しい。
使い魔がこんなにも青春を送ってくれているなんて、、、
すごく楽しい。
「おーい!大丈夫ー?アルトくーん?」
「お!アベル!無事だったか?」
「はい、アリスさんとタルタロスさんのお陰でなんとか」
「そうか、それはよかったな~」
にやにやしながら二人を見る。
まだモジモジしている。
そろそろ6時か。
ゴールも近いし、順調だな。
「ゴールも近いし、さっさとゴールへ向かおう。いいね皆?」
アベル達「「「おっけー!」」」
ーーー
ーー
ゴールまでの途中、険しい山道を登りながらアベルにアリスとタルタロスのことについて話す。
「へぇ、じゃあアルト君はアリスさんとタルタロスさんを応援するんだ?」
「あぁ!あいつらとってもお似合いだからな!」
俺はガッツポーズしながら自信満々に答える。
「でも魔族と女神の恋愛なんて聞いたことないよね。」
話に入ってきたのはエルレンだ。
「そーなんだよなー。だから結婚とかするときに両親の挨拶とかで詰みそう…………………………」
すると後ろにいたバルトが俺を追い抜き、問いかける。
「アルトは魔神王だった頃って嫁っていなかったのか?」
う、、、痛いとこをつかれた、、、
いたぞ?
魔族の嫁がな。
そりゃあ可愛かったけども、
あの《サキュバス寝込み襲われ事件》
の時に可愛いが怖いに変わった。
人ってあんなに変わるんだって感じ。
あ、魔族か。
「いたよ。魔族の嫁。《例の教会》に殺されたけどな。」
「そ、それは、、、すみません。」
「いいよ、謝らなくて。昔の話だ。」
ーーーー
ーーー
ゴールは山の頂上。
その頂上についた。
40メートル先には担任のエイナスがいる。
そこまでは良かった。
だが、エイナスと俺らとの間に物凄く禍々しい魔力を感じる。
200パーセント罠だな。
「アベルにアルト達じゃないか!
、、、ん?あと二人は誰だ?
まぁいい!
先生は会えて嬉しいぞ!
さぁ!早くこの一番乗りのゴールテープを切るんだ!
さぁ!!」
もう暗に走ってこいと言ってるようなものだ。
しょうがない。
「アリス、タルタロス、罠の解除。頼んだよ。」
アリス「分かりました!」
タルタロス「分かりました。」
直後、瞬間移動のような魔法で
アリスは《浄化の刃》を、
タルタロスは発射間際の《臨戦砲》を、
エイナスの喉元に向ける。
アリス「トラップを解除して下さい。今すぐに。」
「ぐぅ!、、、」
(何者だ!こいつらは、、、女神族に、、上位魔族か?、、、クソ!可愛い生徒が油断したところをトラップで、、、という余興がこれで潰れたか!!)
タルタロス「早くしないと撃つぞ?」
「分かった。トラップを解除する。」
こうして、実習で一位を修めた俺はまた普通のモブ生活に戻っていった。




