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魔神王アルバート、モブになる  作者: 神谷悠人
学園編
12/62

討伐

「準備ができた!みんな一時撤退してくれ!!」


アベルらが撤退すると同時に森の木々をすり抜け、

飢餓猫ヴォイダーキャット》めがけて目一杯地面を蹴る。


「お手伝いします!」


「あ、あぁ。」


さっき「使い魔」として召喚したはずだった


女神族のアリスも一緒に木々を縫うように駆け抜ける。


朝陽がヴォイダーキャットの額にある魔石とは別の「魔鉱石」と呼ばれる鉱石が反射して強く輝く。


「身体強化、跳躍力上昇、抵抗軽減」


現代でも使える強化系魔法を三つ同時に発動する。


「 其身に溢れる余多の魂よ 異界を繋ぐ獄門よ

裁きを照らすひとつの刃となれ 」


横で一緒にいるアリスだが、詠唱か。

流石に女神族といえど、無詠唱はちょっときついってことなのか?

それとも無詠唱の文化は廃れてしまったのか?


まぁどちらにしろこっちの準備もできた。

この実習は3日以内に指定されたゴールにつくこと。

時間は充分にある。

アリスについては野宿するときにでも聞けば良いか。


「空間魔法 異絶燐丙間いぜつりんへいかん


結界を張って、内部の壁面に薄く拒絶魔法の効果を付与する。

魔力が低出力で済む割に強力な魔法として、前世の頃はすごく人気だった魔法のひとつだ。


「 天照 」


へぇ、紛いなりにも女神族だな。

最古の浄化魔法か。

これは驚いた。


「ンニ゛ャァァァ!!!」


異絶燐丙間の拒絶の効力と天照にライフがゴリゴリ削られて、うめき声をあげるヴォイダーキャット。


「チェックメイトだ。」


俺は腕を伸ばして掌をヴォイダーキャットに向ける。


「煉獄炎」


今度は一部の詠唱を省略して、炎魔法系統の最強格の一つ、煉獄炎を撃つ。


うめき声が止んだ途端にゴロっと魔石が俺の足元に落ちてくる。

流石はヴォイダーキャット。

魔石は俺の手より少し大きいぐらい。

かなりでかいな。


ふと気がつくと、勇者達が恐る恐るこちらに向かってきている。


「終わっ、、たのか?、、、」


声を出したのはアベルだ。

色々ありすぎて混乱しているのだろうな。

混乱して回らない頭でやっと出てきた言葉がそれか。


「さっきまで明るかったのにもう暗くなってきている。さっさと、、、」


「き、君は!、、」


話を遮られた。

まあ当然っちゃ当然だがな。


「君は一体何者なんだ?、、、」


「その事については後で話す。とりあえず野宿できる場所を探そう。」



アルバートの妻は魔族

アルトの使い魔は天使

作者が好きなのはサキュバス


サキュバスっていいよね。

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