使い魔の『魔』は恐らく『天』
低級魔物五体、中級魔物二体。
流石は名門校のバラモンズ学園だ。
魔物の種類が豊富だな。
「気を付けて!かなり強い魔物がいるわ!」
聖女の娘か。
探索魔法のレベルが高いな。
「こ、こいつは、《飢餓猫》!?なんで、こんなヤツが、、、」
聖騎士の息子は大慌て。
まぁでもヴォイダーキャットか、、、
確かにこいつらだけでは勝てないな。
こういうことはしっかり確認してるもんだと思ってたが、、ちょっと残念だよ、ネルス。
「撤退しましょう!私たちでは────」
こいつらには勇者らの子供だし魔神王のことは明かしても良いかな。
「いや、みんなソイツを引き付けてて!俺が魔法を出すから合図したら逃げて!」
逃げる準備をしていたアベルは驚いて思わず俺の方へ振り向く。
「大丈夫なのか!僕が変わるからそこは」
「俺を信じて!!」
俺の迫力に負けて、勇者は再び戦闘態勢に入る。
ヴォイダーキャットの強みは魔法を行使できる事だ。
しかしそれは唯一の弱点でもある。
魔法を行使するための核が額に露になっているからだ。
額に確実に魔法を当てるためにまずは火魔法を、、、
がモブである俺の考えだ。
しかし今は、今だけは魔神王アルバートだ。
なんだろう、魔神王時代の事を思い出しても抵抗が少し減ったな。
頼られてると実感があるせいか?
確かに魔神王の頃はただひたすらに孤独だったからな。
まぁいいや、どうせネルスのミスだ。
しっかり尻拭いはしてやらないとな。
「召喚魔法 使い魔召喚 上位魔族」
澄みきった森に濃度の高い魔力が放出される。
直径4メートルの魔法陣が展開される。
「ちょ、な、なにするんだ!う、うごぉ!?や、やめ、やめろおぉぉぉ!!!、、…………」
魔族らしい男の声がして、苦しみだしたかと思うとやがて消えた。
魔族の世界で異変でも起きたのか?
あれは苦しんでいる声だった。
この魔法陣から敵が出てくる可能性だってある。
パァっと光の円柱が魔法陣を包み込むとやがてソレは現れた。
「こ、こんにちわ~、、え、へへ、、、」
苦笑いしながら魔法陣から出てきたのは女神族の天使の族長の三女
アリス・ファーシル
だった。
「て、天使!?、、、」
俺は思わず口に出していた。
「はい。」
アリスはまるで太陽のように優しく笑った。
まるで太陽のように なんて、、、
ロマンチストだねぇ。




