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end roll
フレデリカに好意を寄せた相手の末路はおおよそ決まっている。
過ぎたるものに手を出して破滅するか。
苦難を退け目的を果たしてしまうか。
「フハハハハッ! あの若造、見所があるとは思ったがまさかここまでとはな!」
「クリスティアン、少し黙ってください」
「これまでに貢がれた物の中では一等の大きさを誇るのではないか?」
お願いだから黙っていて欲しい。
大口を開けて笑うクリスティアンの横でフレデリカは顔を覆い、天を仰いでいた。
——時は流れて、王位を巡る争いに勝利したエリック・ド・ザルバレイドが新王として立ったその日。
彼は宣言した。宣言、してしまったのだ。
我が国の全てをフレデリカ・グリーンハウに捧ぐと。
歴史書に記される銀の魔女の悪行がまた1つ増えたという訳である。
「どうしてそうなるのですか……っ!」




