巨人
...予想外過ぎて言葉が出ない。
もっとこう、漫画やアニメに出てくるような、女性型、あわよくば美少女タイプを想像したのだが...
男の子が好きそうな、そう、弟がよくやっていたスーパーロボット大なんとかというゲームに出てくるロボット、スクリーンに映し出されているのはまさにそれである。
「貴女の身体がどうなっているかはお分かり頂けたでしょうか」
絶句しているわたしに彼が声をかける。
...分かりたくないのだが、分かるしかない、こちらの動きとスクリーンのロボットの動きが同じである以上、これはわたしなのだ。
認めざるをえない。
「ところで、貴女から見て私はどの様に見えていますか?」
彼が問う。
どの様に?え~っと...
「小さくて動いて話す人形...?」
そう、わたしから見るとそう見える。
近くで改めて見ると人間そのものなのだが、そもそもこんな小さい人間なんて居ない。
おとぎ話とかでもない限り。
「成る程、まぁそう見えますよね普通。
ですが私は人形ではありません、私が小さいのではなく、貴女が大きいのです。
人間が人形に見えてしまうくらいに」
...わたしが大きい...?
人間が人形に見えるくらい大きい?
...まって、それじゃあ...
「...わたしどれくらい大きいの...?」
思った事を恐る恐る質問する。
...返ってきた答えは...
「全長25Mですね。重量もお答えしますか?」
「に、25M!!?」
思わず叫んでしまう。
いやいやいや、大きいってレベルじゃない!!
なんでそんな大きくする必要があるの!?
普通のサイズでいいじゃん!!!
「いや、いい。とんでもない数字出てきそうだし...」
25Mもあるのだ、トラック1台分では絶対済まない。年頃の女子の標準体重を遥かに超えているのは間違いない。
「そうですか、まぁこれには理由がありまして...それも説明しますので」
...もう何言われても驚きはしまい、
話を進めるようにわたしは右手を上げる。
「では続けます。
貴女が目覚める2年前、地球外からある群れが飛来しました。
それは虫のような形をした無人兵器で、我々は「バグズ」と呼称しています。
バグズはその圧倒的物量で地球の主要都市を次々に襲い壊滅させて行きました。
これに対し地球連邦軍は巨大人型起動兵器「メガドール」を投入、鎮圧を行ったのですが、絶え間無く襲来するバグズに圧され現在も戦いは続いており、劣勢に追い込まれています。
メガドールの生産や搭乗員の補充が日に日に厳しくなっていく、そんな状況を打破する為、連邦軍の開発部門はある計画を立案します」
「プロジェクト-ExBrain-」




