夢
昔の記憶が小波のように寄せては引いていく。
幼少の頃に両親に連れられて行った大きな水槽がある水族館、象やパンダが居る動物園。
小学校に入学して初めての遠足や運動会。
小学二年生の時に産まれた小さな小さな弟。
小学六年生で行った修学旅行。
中学校での部活動や友達との談笑。
そして...難病が発症、入院して闘病が始まり...
繰り返し繰り返し、記憶が巡り続ける。
...それはまるて終わりの無い輪舞曲のように...
...どれだけ繰り返しただろうか...終わること無く続いた夢にふと変化が訪れる。
私は知らない巨大なロボットに乗っていた。
それはどんな物よりも速く...空高く...いや、空をも越え宇宙にまで駆け登り、青く輝く地球を見下ろしていた。
わたしは喜びにうち震えた、長い闘病でベッドから満足に動けず外を歩くことすら出来なかった。それがどうだろう、歩いたり走ったりするどころか、こうやって宇宙にまで飛び出して地球を見ている。
...何処まで行けるんだろう、火星?木星?はたまた海王星やさらにその先?
ワクワクが止まらないわたしは地球を離れ、まだ誰も行ったことのない先の先へと進もうとした...
...と、そのとき、頭の中に誰かが呼び掛けてきた。
(...起きて下さい...今こそのときです...永き眠りから目覚めるのです...さあ...守代あすか私達と共に...)




