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鋼鉄機動少女ExBrain(エクスブレイン)  作者: トイレの花子
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巨獣再臨

エクスブレインの改修が始まってから数日、散発的にバグズの研究所襲来はあれど大規模なものではなく、ベヒモスの姿は見えない。

防衛部と連邦軍の混成部隊により然したる被害も出ず、それなりに安定した日々を過ごしている。

混成部隊は遠堂(えんどう)隊長指揮下の元動いており今日も朝方に出撃して行った。


そしてわたしはというと、学校に行き授業を受けて放課後は友達と遊び、帰ると授業の復習と戦闘シミュレータでの訓練を行い、空いた時間はテレビを見て過ごす。


戦闘訓練を除けば普通の中学生と変わらない日常、そんな日が続いている。

とはいえ後二日もすればエクスブレインは戦線に復帰してわたしはまた戦場に立つことになる、それまではゆっくりさせて貰おう。

一日も早くこの戦いが終わって平和な日常が戻って来るといいんだけどな。


そんなこんなで更に数日が過ぎエクスブレインの改修終了予定日、今日は日曜日なので学校は休み、わたしは自室でテレビを見ていた。

混成部隊は全部バグズの出現で出払っている、今のわたしには出来ることが無いのでこうやっているくらいしかないのだがもどかしい。


気分転換に研究所の屋上へと上がり遠くを見る、向こうでは戦闘が行われているのだろう、時折爆音が此方にまで響いてくる。


エクスブレインで出撃出来ればなぁ、そう思いながら部屋に戻ろうと踵を返そうとした時、遠くにて空間が歪むような光景が視界に入る。

それは徐々に黒い球となりそして収縮して消える、そしてそこに現れた物は...


「ベヒモス!!」


あの巨体にあの姿、間違いない!!

わたしは屋上から階段を駆け降り管制室に向かい扉を開く、中では数人のオペレーターが端末を操作し所長は中央の大型スクリーンの前で指示を出していた。


「所長!!エクスブレインは!?」


わたしは所長に駆け寄りエクスブレインの状況を聞く、改修は間に合ったのだろうか。


「残念ながらまだ最終調整中でして、後もう少しなんですけどね」


スクリーンから目を離さずに所長は答える、後少し...そうしている間もベヒモスはこちらに向かってくるし待ってはくれない。

皆の足止めが何処まで続けられるか...


―――研究所から数km離れた林の中、バグズ殲滅中に突如現れたベヒモスを相手に混成部隊は攻撃を開始していた。


「くそっ、おいでなすったかよ!!相変わらずでけぇな!!脚だ、脚を狙って動きを止めろ!!」


遠堂隊長の指示で200機近いメガドールが攻撃を開始する、六本の脚を目掛けて銃弾やミサイルが次々と打ち込まれていく。

爆炎と煙で辺りが包まれ爆音と銃声が林の中に響き渡る。


が、損傷は見られず速度を緩めること無くベヒモスはゆっくりと研究所目指して進んで行く。


「っち、びくともしねえ...関節だ、そこなら多少は効くだろ全弾ぶちこめ!!此処て止められなかったら終りだ!!」


脚の間接部分を狙って再度攻撃が開始される、だがそれでもベヒモスは怯む様子が無い。


「くそっ、硬すぎんだろ!!傷一つ付きやしねぇ!!足止めすら出来ねえか...エクスブレイン、間に合ってくれよ...全機、攻撃は緩めるな、残ってる弾全部使って少しでもダメージを与えるぞ!!!」


スクリーンに現地の状況が映し出されている、攻撃は開始しているがベヒモスは止まること無く此方へ向かって来ているようだ。


「参りましたね、あの規模の攻撃でも止まりさえしないとは...エクスブレインの改修さえ終われば...」


とそのとき、管制室にある黒電話が鳴り出し、所長が受話器を取る。


「はい此方管制室、はい、はい、おおそうですか、はい、分かりました地上に上げて下さい、伝えておきますので」


所長が受話器を下ろすとわたしに振り返る。


「あすかさん、改修が終わりました、出撃してく下さい!!」

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